カードサイズスマホLight Phone2ハンズオン:つながっていることに疲れたひと向けスマホ

GIZMODO / 2019年9月9日 22時0分

190906lightphone2 Image: Sam Rutherford (Gizmodo US)

さよならスマホ中毒。

Light社が発表した「Light Phone 2」は、SNSやメールなど時間を費やしてしまいがちな要素を徹底的に排除した、シンプルな機能のみのスマートフォン。時代の逆をいくようですが、デジタルデトックスとまではいかないまでも、デジタルなお付き合いからちょっと距離を置きたい人に良さそうな同製品。米GizmodoのSam Rutherford記者が触ってみました。

2015年にKickstarterで人気を博した、ミニマリズム志向なLight Phoneを開発したチームはLight Phone 2でも引き続き、つながっていることとメンタルヘルスを保つことのバランスを模索しています。これは、スマートフォンが実際はどれほどスマートでいる必要があるのかを見直した予備の、スタンドアロン型の端末です。

いくつものアプリ、ガジェット、SNSプラットフォームが絶えず注意を引こうとする中で、人々はネット中毒というものに気付き始めました。しかし同時に、ほとんどの人にとっては完全にネットを断つのは現実的な選択肢ではありません。

ブルーライトフィルターやうるさい通知の無効化以上にデジタル・ウェルビーイングを推し進めようとした元祖Light Phoneの機能はたった1つ、通話のみでした。

190906lightphone22 Image: Sam Rutherford (Gizmodo US) 発売時点でのLight Phone 2の機能は通話、テキスト、アラームのみ。ですが、マップやライドシェアサービスアプリへのサポートなどいくつかの厳選された機能は、年末前にリリース予定。

Light Phoneはコミュニケーションの本質を小さなデバイスにまとめようとするエンジニアリング上の挑戦でもあり、哲学的な実験でもありました。通話専用という性質により役割は果たせたものの、メインのスマートフォンに取って代わるように設計されたものではありませんでした。むしろ、気を散らすものを断ちたい時用の二次的な端末や代替的な選択肢として意図されていたのです。

Light Phone 2は前モデルと同じデザイン方針を共有して、見た目も中身も超ミニマリストなスタンスをとっています。サイズはカード類ほどの小ささで、音量、メニューと電源用のボタンを除けばLight Phone 2の外観で唯一目立つ特徴は2.8インチのE-inkディスプレイになります。

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190906lightphone24 Image: Sam Rutherford (Gizmodo US) Light Phone 2はダークグレー(画像の色)とチョークホワイトの2色展開

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一方、中身はというと独自のLightOSも同じくらい簡素。端末をアンロックすると、そのまま発着信やメッセージの履歴が表示されます。メニューボタンを押すと出てくるのは電話、アラームそして設定の計3つの機能。初期に搭載されているのは、それだけなんです。

Light Phone 2はアプリをインストールする機能を排除することで、ユーザーがメールや自分のInstagram(インスタグラム)の投稿にいいねした人のチェックばかりではなく、現実世界に集中することに多くの時間を費やせるようになることを狙っています。

とはいえ、典型的なスマートフォンの真の代替機となるはずのデバイスとして、電話をかけたりアラームをセットしたりするだけでは十分ではないとLight社のチームも分かっています。そのため正式なローンチののち、マップやライドシェアサービスのアプリや音楽再生、テザリングなどいくつかの機能を年末前までに追加する計画があります。

190906lightphone28 Image: Sam Rutherford (Gizmodo US) E-inkディスプレイなので、前の画面の残像が残ることがあります。

だからと言って、Light社のチームがアプリに対して門戸を開放するというわけでありません。もしそうなったら、典型的なスマートフォンとの何ら変わらなくなりますからね。Light社はデジタル面での健康を守りプライバシーを維持するという目標のバランスを取ろうとしながらもユーザーからの要望に対応するため、どのような機能が本当に不可欠かを決定するといったプロセスが絡んでくるのです。

そのためLight Phone 2は今どきの4G LTE通信に対応していますが、メール、ニュースフィード、インターネットブラウザ、SNSアプリの搭載や広告の表示はありません。ライドシェアのようなものに関しては、予約はできるけど、標準的なAndroidやiOSのアプリとは異なるカスタム版のアプリを作るため、Light社がLyftやUberといった企業と連携する計画を立てています。

190906lightphone29 Image: Sam Rutherford (Gizmodo US) Light Phone 2の画面はとても小さいので、文字を打てるのは横向きにした時だけ

Light Phone 2はVerizon、AT&TそしてT-Mobileと米国内の大手通信事業者のほとんどに対応しています(Sprintには働きかけているとのこと)。また、より簡素化されて敬意あるインターネットという同社の理想像を維持するために独自のMVNO回線を構築しています。このサービスは月額30ドル(約3,200円)から(現在は米国のみの提供)です。

今でも、Light Phone 2はやや未完成ですが、使うのはとても楽しいです。フィーチャー・フォンとKindle(キンドル)が混ざったような感じでしょうか。ロックがかかると画面上には時計とバッテリー残量が表示されるだけで、メッセージがあれば時計の隣にアスタリスク(*)が示されます。

画面は目に優しく、暗闇でも使えるバックライトとアンビエントライトセンサーがついています。E-inkのリフレッシュレートは現代的な有機ELや液晶パネルには及ばないものの、とても実用的です。

190906lightphone210 Image: Sam Rutherford (Gizmodo US) メッセージで画像が送られてきても風景アイコンが表示されるだけですが、絵文字は1行目の終わりのように文字化けします。

低電力な画面と限られた機能のおかげで、バッテリーの持ちは非常に優秀です。普通に使えば2~3日、スタンバイだと7~10日間ほど。さらに音楽再生の機能が追加された時用にヘッドホンジャックと内蔵Bluetoothも搭載されています。

それでも、問題となりそうな粗削りな点もありました。電話からモノをそぎ落とすことに専念し続けるLight社のこだわりのせいで、画像を送られても、画像の存在を示すアイコンが表示されるだけで確認する方法がないのです(Light社はウェブブラウザで画像を見る方法を追加すること検討中ですが、まだ何も決定していません)絵文字についても同じで、ちゃんと表示されません。

そのうえ、E-inkの画面は従来のスマートフォンのディスプレイのようにいつも完全にリフレッシュされるわけではないので別のことに移った後も、テキストやメニューの残像が残っていることがあります。気を付けないとパスワードやテキストメッセージの一部が他の人に見られるかもしれないので、ちょっとしたセキュリティ上の懸念につながります。幸いにも、ロックボタンを押せば画面はちゃんとリフレッシュされるので、電話をかけたい友人に貸す前には忘れずに押すようにしましょう。

190906lightphone211 Image: Sam Rutherford (Gizmodo US)

スタンドアロンあるいはコンパニオンデバイスとしても、Light Phone 2は市場に出ているどれとも異なる感じで、常につながっていることでもたらされるストレスとフラストレーションに疲れ切っている人にとっては思いやりのある代替品だと思います。

Light Phone 2の価格は350ドル(約3万7480円)で、現在はIndiegogoのバッカーに出荷中。企業のサイトから注文もできますが、残念ながら現時点では日本での使用に対応していないようです。

Source: the Light Phone, Kickstarter, Indiegogo

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