ウミガメの卵ドロボウを捕まえよう! GPS入りのフェイク・タマゴ

GIZMODO / 2020年10月11日 7時0分

header-sea-turtles_resize_md Image: Interesting Engineering

あのふにゃふにゃ感を作ったのか。

ウミガメは年々その数を減らし、今では絶滅危惧種です。プラスチックストローの使用が廃止されるのを加速させたのも、ウミガメの鼻からストローが引き出された動画がきっかけでしたよね。ウミガメたちは人が守ってかなきゃいけない動物と考えられています。

でも、ストローやプラスチックゴミを減らすだけではウミガメは守れません。というのも、ウミガメの卵って密猟されてしまうんです。INTERESTING ENGINEERINGによると、この密猟を止めるために、ウミガメの卵そっくりの球体の中にGPSを入れたニセ卵を作ったんですって。

そもそもなんで密猟されちゃうの?

数年前、私はマレーシアの東海岸でウミガメの保護活動をしているグループの案内の元、ウミガメの産卵を見学したことがあります。ウミガメって決まった時期に、決まった場所にやってきて産卵をするので、ウミガメの産卵場所を特定して見学するのはもちろん、卵を盗むことがとても簡単なんです。

ウミガメは1回の産卵で大体100個以上の卵を生みます。卵は美味しいらしいので、食べる目的でとっていく人もいるのだそう。

IMG_2622 Photo: 中川真知子

1回の産卵で100個以上生みますが、孵化した赤ちゃんウミガメが海の中で成長できる確率は非常に低いです。海の中で待ち構えている魚や鳥に速攻で食べられてしまうから、数撃ちゃ当たる戦法でたくさん産んでいるんです。「100個もあるなら、少しくらい〜」はダメ。

行け! 3DプリントのGPS入り偽卵

ウミガメの保護をする人たちは、密猟者より先回りして、ウミガメの産みたて卵を保護します。そして、安全な場所で孵化まで見守り、海に返す活動をしています。でも、それでは密猟を完全に止めることはできません。

sea-turtle-egg-1_resize_md Image: Interesting Engineering

そこで、 3DプリントのGPS入り偽卵「InvestEGGator」の出番です。開発したWilliams-Guillén氏らは、リアルな卵に似せるために柔軟性のあるプラスチック素材「Ninjaflex」を使い、その中に最小のGPS装置を入れたのだそう。

この卵をコスタリカ周辺のウミガメの卵に紛れ込ませ、密猟者が「InvestEGGator」を盗めば、GPS信号でその足取りを追えるというわけ。

さっそく「InvestEGGator」が盗まれた

研究チームはコスタリカの4つのビーチで個々の産卵穴に偽卵を1個ずついれたそうです。そのうち、101個は残っていて、25個は盗まれていたそう。ただ、6個は捨てられていて、5個はうまくいったそう。1個は137キロ離れたスーパーに行き着いたのだとか。

密猟者は捕まえられるのか?

INTERESTING ENGINEERINGによると、研究者らはGPSを使って全ての卵を追跡することができたそうです。

ウミガメは全部で7種類いて、その全てがワシントン条約により商用の取引は禁止されています(学術研究のためでも許可が必要)。中でも、太平洋のオサガメと地中海のアオウミガメの数は激減していて、早急な対策が必要とされています。ウミガメの卵が密猟される背景には、純粋な食用の他に、性欲増強への期待もあるそう。

GPS入り偽卵の活躍で、地域の密猟・取引ネットワークが明らかになれば、密猟を阻止できる日が来るかもしれません。

ウミガメの保護はとても地道な活動です。環境改善も大きく関わっているので、一朝一夕に改善されることはないでしょう。せめて密猟だけでも止めたいですよね。

IMG_2664 Photo: 中川真知子 ウミガメの数が戻りますように

Source: Interesting Engineering

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング