春節スーツケース問題(1)中国

　節分、立春、春節。今年も中国から、春節を利用して多くの観光客が来ている。去年はまだコロナ禍明けと言っても恐る恐るであって、今年から本格的に強気で来ている気がしてならない。

　コロナ禍前は、日本人を信用しないのか、二度と来た道を戻らないのかコインロッカーを利用せず、爆買いされた大量の炊飯器はスーツケースのキャスターにグルグル巻きにされ持って歩いていた。爆買いされたと言えば、空気の非常に悪い中国に必須な龍角散ダイレクト系(旧・クララ)も、都心の大手ドラックストアから消えるほど買われた…コロナ禍最中は、韓国人がお使いしていたらしい。

　ところが今年から、スーツケース問題のいくつかが変わった。ただ知っている店。大量に買うのでも店員と懇意にしているわけでもない店に、爆買いしてグルグル巻きしたスーツケースを強引に預けていく(放置していくともいう)。また新しいスーツケースを買って同じように預ける。「礼儀をわきまえた中国人」は、その知ってる店の一番安い物を買ったりももするが、99％は「多謝」ありがとうほど高いと言うか、店にとって迷惑なことはない。友達の友達は友達で、知ってる店はみんなで共有される。来年からは、儲けよりも春節の期間は休もうかと深刻な高級店も少なくない。

　そのように厚かましく預けることをしない中国人は、相変わらず持って歩く。交通費にお金をかけたくないから、公共交通機関(電車・バス)を使うことが多いが、本来の利用者である日本人が座れない、いや立つのもやっとなくらい乱雑にスーツケースを隙間隙間に詰め込んでいる。もちろん、日本人は文句は言う。しかし、おそらく「私は日本語がわからない。スーツケースぐらいでガタガタいうな。日本に来てやったんだぞ」という意味の中国語でまくしたてられるだけだ。隙間隙間に詰め込まれたスーツケースの数は…10個を越しているのだ、手の打ちようがない。バス運転手さんも乗車拒否できないし。

　コロナ禍で疲弊した日本の経済。中国人の爆買いはうれしいが、このスーツケース問題はこの先にわたって、解決するものだろうか。
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