【タイ】民主化運動の記念式典が開催=軍政幹部も列席
Global News Asia / 2014年10月15日 12時59分
2014年10月14日、タイの首都バンコクで、かつての民主化運動の際に武力弾圧によって犠牲となった人々への追悼式典が行なわれた。プラユット首相は、代理として幹部を派遣し、献花をした。
1972年10月14日、バンコク民主記念塔を中心に集まっていた市民や学生たちが、前日にタノム首相との合意による解散の指示に従わずに、王宮へデモを進めた。そこで武装警察が武力弾圧の挙に出たことで数百名という死傷者を出した。タイでは血の日曜日、またはシップシートゥラーと呼ばれ、タイの民主化を語る上で忘れられない日となっている。
この時、学生たちが拠点としていたのがタマサート大学であり、軍事独裁政権だったタノム首相が辞職した後に、暫定首相として指名されたのが、当時学長だったサンヤー・タンマサック氏だった。こうした歴史から、いま現在も民主化運動には熱心な校風を持っている。
去る5月の軍事クーデターの際にも、サンドイッチを食べることをクーデター反対の象徴としたり、ジョージ・オーウェルの『1984年』の本を読んだりと様々な形での抵抗を試みられているが、その多くにタマサート大学の学生たちが絡んでいると言われている。そのために、現在の軍事政権もキャンパス内外で厳しく目を光らせている。
当時の犠牲者は、公式には現在でも72名が死亡とされている。しかし、実際にはその倍以上、数百人が犠牲になったと言われている。また公式に犠牲となった人々への補償も十分に行なわれているとは言い難い状況にある。
現在、軍部には比較的信頼を寄せているように見えるタイ国民だが、この歴史は決して忘れられていない。軍事政権が、一歩でも軍事独裁的な動きを見せようものなら、必ず民衆が動くとも言われている。その意味では、この日の出来事こそが現政権を暴走へと進ませない足かせとなっていると言えるだろう。
【翻訳/編集 : そむちゃい吉田】
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