東京国際映画祭 タイ映画「コンクリートの雲」監督と俳優が舞台挨拶
Global News Asia / 2014年10月24日 23時36分
2014年10月24日、第27回東京国際映画祭が昨日からスタートした。国際交流基金アジアセンターと共同で、アジア映画を特集する「CROSSCUT ASIA」部門が設立され、今年はタイの最新映画8作品を上映している。
「コンクリートの雲」は、「ブンミおじさんの森」で編集技師を務めてきたリー・チャータメーティクン監督のデビュー作。アジア金融危機の最中にある1997年、ニューヨークで金融マンとして働く主人公は、父親の訃報を受けてバンコクへ帰郷し、高校時代の女友だちと再会する。経済状況の行き詰まりにより変化していくカップルの様子を、監督自身の経験も反映して描いた力作だ。ロケ地は、タイ、香港、中国。
上映後の舞台あいさつに、リー・チャータメーティクン監督と出演のラウィット・ハンステンが登場した。
監督はこの作品について、「愛の問題を絡めて、人生の転換期を描きたかった。1997年以降は国家自体の転換期で経済面、社会面、政治面でも大きな変化があり、その当時の30代の世代は、バブル経済の好景気と崩壊を経験した。その時の自分の判断は正しかったのかと悩んでいる人も多い。『失ったものは取り戻せるのか』というテーマもある」と語った。
また、カウントダウンが始まったとも言われている中国経済危機については、「バブル経済崩壊は、投資や人生のチャレンジをした結果。資本主義というのは長持ちするものではないと思う。経済危機が起こったとしても、時間をかけて問題が修復できて、自然に回復していくものではないかと思っている」と述べた。
初めて映画出演したラウィット・ハンステンは、「音楽も芝居も楽しい。初めて両方楽しいなと思いました」と明るく話した。次回の上映は、10月28日(火曜日)14時40分から、TOHOシネマズ日本橋。
【編集 : 安麻比呂 】
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