【タイ】63歳の男性、国王の快癒を願い、北部から首都バンコクまで533キロを歩く
Global News Asia / 2014年10月30日 9時15分
2014年10月23日、入院中のプミポン国王の快癒を祈るために、63歳の男性がタイ北部から500キロ以上の道のりを歩いて、バンコクの入院先に到着した、と多くのタイメディアが伝えた。
タイのプミポン国王は、10月3日からバンコクのシリラート病院に入院している。原因は、高熱と心拍数が高くなっていたためだが、感染症のため、胆のうの除去手術も受けた。
術後の経過は順調と伝えられているが、プミポン国王の入院直後から政府要人や関係者に関わらず、入院先の病院には一般市民の快癒を祈る記帳の列が耐える日はない。
そんな中、タイ北部プレー県デンチャイ地区に住むサイン・ハンプラコンさん(63歳)は、徒歩で自宅からバンコクの病院に駆けつけた。彼は10月12日午前5時に自宅を出て、11日間をかけて、シリラート病院に到着した。
サインさんは、すぐに院内ロビーに掲げられたプミポン国王の肖像画に、故郷から持って来た花を献花。快癒の祈りを捧げて、集まった記者団に囲まれた。
歩いた距離は533キロ。歩いて来るその道中、ニュースで彼のことが報じられると、通り道の警察やボランティア団体らが、彼をガードするように代わる代わる同行した。また、沿道で彼を迎えた市民たちからは、自分の分も代わりに祈ってきてほしいと口々に伝えられた、と記者団に語った。
記帳を終えたサインさんは、待っていた家族とともに車で家路についた。
タイの国家元首でもあるプミポン国王は、今年87歳と高齢のため、近年は入退院を繰り返している。その度に広く一般市民が快癒を願って、病院を訪れている。
そのため、現在では通常ならフアヒンに滞在し、公務の数は減っている。そして、王位継承権を持つワチラコーン王子とシリントーン王女がその多くを担っている。
このようなプミポン国王の高齢による将来への不安が、一連の政情不安の土台となっており、タイ国民は国王入院というニュースを聞くたびに心が締め付けられる思いだという。
【翻訳/編集 : そむちゃい吉田】
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