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【タイ】バンコク発の長距離バスで盗難が多発

Global News Asia / 2014年12月9日 12時38分

 バンコクからカンボジアのシェムリアップ行きの国際バスを利用したときも置き去りにされた。場所はカンボジア側の国境の街ポイペトである。このときは、リュックは無事だった。これまでの経験から、バスを降りるときは荷物も持っていったほうがいいということを学んだのである。人間は成長する生き物なのである。

 しかし、ポイペトというまったく勝手のわからない街に置き去りにされたことによって、さらに追い討ちをかけるようなひどい目に遭わされることになった。ポイペトの街をうろうろと歩いた。タイ国内のサービスエリアで置き去りにされたときはバンコク行きの別のバスをつかまえて乗せてもらえばよかった。が、ポイペトの場合はどうすればいいのか。シェムリアップ行きのバスがどこから出ているのかさっぱり見当もつかなかった。

 屋台でご飯を食べていると、カンボジア人のおっさんが話しかけてきた。
「どうした? 何か困っているようだな」
「バンコクからシェムリアップ行きのバスに乗ってたんだけど、トイレで用を足している間に置き去りにされてしまったんだ。いったいどうすればいいのか……」
「何だって! そいつは大変だな。しかし、安心しろ。俺はバスのチケットを扱う仕事をしている。もちろん、シェムリアップ行きのバスのチケットだってあるぞ」

 おっさんはテーブルの上に1枚の紙片を置いた。そして、そこに書かれているクメール語を指差して言った。
「ポイペト発のシェムリアップ行きと書かれている。バスターミナルはここをまっすぐに歩いたところにある」
「料金は?」
「本当は800バーツ(約3000円)するんだがな。おまえさん、困っているみたいだから、500バーツ(約1850円)に負けておいてやるよ」
「本当に? ありがとう!」
「いいってことよ」

 食事を終えてからバスターミナルに向かった。そこにいたスタッフの男におっさんから買った紙片を見せると、彼は首を傾げた。
「何だ、これは?」
「シェムリアップに行きたいんだけど。これはバスのチケットだよね?」
「いいや、これはただの商品チラシだ。こんなものを俺に見せて、いったいどうするつもりだ」
「そ、そんな……」

 筆者はおっさんにまんまと騙されたというわけである。ただの商品チラシを500バーツで買わされたというわけである。

「あのクソ野郎!」怒りに震えながらさっきの屋台にダッシュで戻ったのだが、もちろんそこにおっさんの姿はすでになかった。

【取材/撮影 : 小林ていじ】


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