【シンガポール】中国人観光客マナー問題で国家のイメージダウンは深刻
Global News Asia / 2014年12月21日 20時17分
2014年12月19日、シンガポール華字紙・聯合早報(電子版)は、「中国人観光客の、自分勝手な振る舞いを正せ」という記事を掲載した。
タイ・エアアジア機内で中国人乗客が客室乗務員(CA)に熱湯の入ったカップ麺を浴びせた事件や、乗客同士のなぐり合いの喧嘩など、中国人観光客のトラブルニュースが伝えられた。
こうした事件で中国のイメージが悪化することに、シンガポール聯合早報のオフィス内で激論が交わされることは良くある。中国本土戸籍のある同僚は「一部の人の下劣な行為を国家イメージにまで発展させるべきではない」と否定する。「中国の国家イメージに影響を与えるのは、観光客の行為ではなく、人権や環境保護についての問題だ」との意見もある。一方、中国本土出身以外の同僚らは、中国政府がトラブルを起こす悪質な観光客を、厳しく罰する方針を表面化したことを歓迎している。
中国人のマナーは近年、目覚ましい進歩を遂げた。しかし、中国経済の成長スピードの速さに、追いつけない。中国本土からの海外旅行者数は、これまでに1億人を突破したというが、観光客の中には、問題を起こす人も少なくない。
タイ・エアアジアの事件は極端な例だが、静かにすべき場所で騒ぎたてる、写真撮影禁止の場所で撮影する、禁煙エリアで喫煙する。中国人の多くは気にも留めないが、こうした非文明的行為が訪問国での印象を悪くする、中国の人権や環境保護問題よりも、訪問国の国民に与える影響は強烈なものなのだ。
小国での出来事なら笑い話で終わるかもしれない。しかし大国の中国国民が起こした場合は、国家の外交的影響力とあいまって、中国人自らが想像できないほど、訪問国の国民は、大きな恐怖心を持ち、反感を抱き、中国のイメージをさらに悪化させてしまうだろう。中国政府が近年、「国家イメージ改善プロジェクト」の推進に力を入れているが、これは中国を友好的で責任感のある大国にしようとする決意を示したもの。だが訪問国の人たちの目には、中国人観光客の振る舞いが、中国という国家のイメージを印象付けてしまう。中国政府がどんなスローガンを表明しても、繰り返しアピールしても、何ら信憑性が無くなってしまう。
一部の悪質な中国人観光客による行為は、彼らの「強大さ」や「尊重」に対する間違った理解を映し出したものでもある。「自分は誰も恐れない」「自分を恐れて誰も手出しできない」と上から目線で考えているのかもしれない。国際社会で普通に振る舞うことが出来るようにすることの重要性を理解し、多くの旅行者にマナーを身に付けてもらいたい。
【編集 : 安麻比呂 】
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