【タイ】スマトラ沖地震から10年目=忘れられたミャンマー人労働者たち
Global News Asia / 2014年12月25日 22時44分
2014年12月26日は、スマトラ沖地震から10年目となる。スマトラ沖地震による津波によって犠牲となったのは22万人と言われる。そのうち、タイ国内では5000人強が犠牲となった。そして、今も身元がわからないままになっている遺体も多い。
被災から10年を迎えるパンガー県バンムアンには、今も身元不明の遺体がひっそりと眠り続けている。
タイ政府はこれまでに5395人の犠牲者のうち、3000体以上の身元を確定してきた。しかし、墓地にはまだ369体が識別番号の墓碑の下で眠っている。さらに引き取り手がない49体のタイ人も一緒だ。識別作業は、DNAや歯形などをもとに今も続けられているが、新しい資料もなく、時の経過とともに判別できるものは、もはや限界になっているという。
身元不明遺体のほとんどは、ミャンマーから出稼ぎに来ていた労働者たちだと思われている。被災当時も今も、ミャンマーからの労働者たちは、ナムケム地区の漁港や海岸近くで働き、生活している。
津波で2人の子供を失った母親は、今もどこかで誰かに助けられて、生きていると信じている。彼女は、そう言いきかせて、この10年を生きてきた。そう思うことだけが、これまで生きながらえた理由だと語った。
津波直後、1000人以上がミャンマーに帰国した。しかも、今でも約2000人が同地区に暮らしている。復興住宅として海岸近くに建てられた住居には、津波の再来を恐れたタイ人のほとんどが戻って来なかった。そこには、ミャンマー人たちがコミュニティーを作り、タイ政府も彼らに労働許可証を与え、子供たちが学校へも通えるよう保護政策を取った。
ナムケム地区には、両親を亡くしたミャンマー人の子供たちも多く、NGOが保護養育して来ている。彼らはタイ語もミャンマー語も流暢に話し、すでに大学を卒業し、独り立ちして、タイの会社に勤める人もいる。
現在、タイ全体では約200万人のミャンマー人労働者がいるという。
【翻訳/編集 : そむちゃい吉田】
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