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【タイ】タクシーの空港利用料を値上げか=日本人男性がボッたくりにクレーム

Global News Asia / 2015年1月26日 14時59分

タクシー・スタンドに設置された配車用の機械は、当局の説明とは裏腹に、単なるプリンターでしかない。

 2015年1月25日、タイメディアの報道によると、バンコクのスワンナプーム空港でのタクシー問題に関して、運輸省は空港利用料の値上げを検討していると伝えている。

 バンコクのタクシーに関しては先日来、ある邦人男性が空港での不快な体験をFacebookに日本語とタイ語でコメント。それが瞬く間に拡散して、テレビニュースでも取り上げられた。

 男性のコメントはおおよそ以下のようなものだった。
・入管に長い列ができていても、職員は増員などの対応をせずに談笑すらしていた。
・タクシー・カウンターに機械が設置されたが、以前と違い、行き先すら自分で運転手に説明しなくてはならなくなった。
・運転手からいつもの倍の料金を告げられた。
・カウンターへクレームを申し立てると、面倒臭そうな対応をされ、また列に並び直すことになった。

 ニュースになったことで、空港当局は、料金を過重に請求しようとした運転手に罰金と出入り禁止の処分を課した。また、空港内でタクシーへのチェック・ポイントを設け、取り締まりも行なわれ出した。

 しかし、運転手の処分は、渦中の邦人男性ですら存外なことだと言うように、トカゲの尻尾切りでしかない。記者の知人は、走り出してからメーター不使用を告げられ、問答の末に高速道路上で降ろされたこともある。

 さらに、プラユット首相は定例のテレビ番組の中で、タクシー運転手へ、ボッたくりや乗車拒否をしないよう呼びかけるとともに、空港のタクシー配車用機械の有効活用を求めた。

 しかし、この機械は本来、利用者自身が行き先や車のタイプを指定できるとの触れ込みだったものの、職員がチケットを手渡すのみになっており、利用者にとっては、行き先を説明する手間が増えることになっている。

 こうした事態を受けての、今回の運輸省の意向であるが、まるで見当違いな対応と言わざるを得ない。世間の注目がタクシーにばかり向いているためか、空港職員の怠慢な対応について、すっかり見逃されている節がある。

 入国時の問題は以前も問題になり、職員を増員して改善されていたはずである。それがまた持ち上がったということは、たまたま交代などで少ない時間だったのか、あるいは、増員された職員が元に戻ってしまったのか。これまで、言及した報道も見受けられない。

 また、タクシーのメーター不使用は、その低すぎる料金設定に問題の原因があることは本サイトでも何度も指摘してきた。そもそも空港利用料とは、タクシー運転手が空港にまず支払い、それを乗客が運転手に支払う。運転手の懐には入らないはずである。利用料を上げた分が、そのまま運転手に還元されるようにするのだろうか。空港の収入になるだけではないのか。問題に乗じて利権の拡大を試みているように思えてしまう。

 根本的にメーター料金を大幅に値上げしない限り、不良運転手がいなくなることはないだろう。しかし、プーケットのように官民一体でボッたくり料金を正当化させられるような事態に至るのも困る。今回はタイが観光立国として、どう成長、成熟してきたのかが試されている。
【翻訳/編集 : そむちゃい吉田】

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