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タイ古式マッサージの秘技を伝える最南端の観光都市ハジャイ=マレーシア人で賑わう

Global News Asia / 2015年1月27日 14時7分

プーケットのオールドタウンとも趣が違い、カラフルに彩りされた中華風タウンハウス。

 2015年1月現在も、タイ南部でマレーシアと国境を接する地域、パッタニー、ヤラー、ナラティワートの3県では、分離独立派によるテロ活動が止まない。その3県の手前ソンクラー県ハジャイは、バンコクからおよそ1000キロ。南部とは言え、物騒な雰囲気をまるで感じることがない、マレーシア男性の天国になっている。

 もともとタイ南部には、中国移民の子孫とイスラム教徒が多い。そして歴史的には隣のパッタニー県を中心にパッタニー王国として、独自の歴史を歩んでいた。繰り返されるテロは、このパッタニー王国の復興を呼びかけ、タイからの分離独立を提唱しているものだ。しかし、ハジャイの街中は、中国系とムスリム系が何の隔たりもなく、柔和に暮らしている。

 ハジャイの街中を歩くと、中国語の看板が目立つ。そして、マレー語と中国語が耳に飛び込んでくる。マレーシアの華僑に加えて、中国本土からの観光客が大型バスで、ホテルに吸い込まれて行く。他にもインド系マレー系の顔も多い。そのほとんどが隣国マレーシアからの観光客だ。

 以前からタイを訪れる外国人観光客のトップを争っているのはマレーシア人。そのほとんどが国境からもほど近いこのハジャイにやってくる。近年では、アセアン経済統合の先行処置として車の乗り入れも容易になったために、プーケットなどでもマレーシアナンバーの車を見かけるようになった。

 ハジャイの空港へ通じる道には、その敷地に入る手前にゲートが設けられ、厳重な荷物検査が行なわれている。タイでは、表玄関たるスワンナプーム空港でさえ、車の乗り入れはノーチェックなのだが、こうしたところには、テロによる緊迫感を感じてしまう。

 さて、話を街中に戻そう。ハジャイの街中には、やたらにタイ古式マッサージの看板が目につく。美容院や理髪店でも、髪を切ることよりもマッサージの客が多い。

 家族連れやカップルは、ソファで足マッサージを受ける姿が多いのだが、男性客たちの目的は別にある。

 このハジャイには、タイ伝統マッサージに伝わる秘技が残っている。タイ語で、「カサイ」あるいは「ジャップカサイ」と呼ばれ、睾丸や周辺のリンパ節を刺激することで、衰えた精力を蘇らせる秘術だ。

 かつて仏陀の弟子シヴァカが伝えたというタイ古式マッサージの中でも、熟練したものにしか施術を許されなかったというが、その秘技を継承するマッサージ師がこのハジャイに多いのだ。

 バンコクにも同様のマッサージをうたっている店舗は多いのだが、単に風俗として手抜きマッサージが行なわれている店がすべてだといっても過言ではない。

 本来は、男性の施術師が行なうものだったそうだが、このハジャイでは女性のベテラン施術師が多く、利用客のニーズに応えてのもの。

 近年のハジャイは、公立公園にケーブルカーが建設され、市内を一望できようになり、今の乾季には日本のねぶたにも似た、ランタン・フェスティバルが行なわれている。屋台では激安で食べられる燕の巣スープなどの中華料理や南部イスラム料理、マレーシア料理の屋台もある。

 国内的にも観光をアピールしているが、テロの恐怖はまだ払拭されていないようで、現地では国内外からもっと多くの観光客に来てほしいと願っている。

外務省が出している危険情報は以下の通り

ナラティワート県,ヤラー県,パッタニー県及びソンクラー県の一部(ジャナ郡,テーパー郡及びサバヨーイ郡) :「渡航の延期をお勧めします」(継続)

【取材/撮影 : そむちゃい吉田】

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