トランスアジア航空機墜落=エンジン停止後72秒の滑空飛行
Global News Asia / 2015年2月7日 13時35分
2015年2月7日、台湾・トランスアジア航空のATR72型機が4日に墜落した事故について、同型機を運航しているタイやラオス周辺国の航空関係者は注目している。
ATR社の小型プロペラ機は好評で、多くの短距離路線に就航しており、日本でも天草エアラインが、今年12月にATR72型機よりも一回り小さなATR42型機を導入して、天草から、福岡、熊本、伊丹を結ぶ予定だ。
台湾当局は、ブラックボックスを解析しての発表で、4日午前10時51分に離陸。離陸して直ぐに警告音が鳴り、右の第2エンジンの異常がパイロットに伝わった。パイロットは左の第1エンジンを止め、再始動を試そうとした。しかし、間に合わず両方のエンジンが停止したとみられる。正常なエンジンを誤って停止させた操縦ミスの可能性も考えられると伝えている。
事故機は、機長が前回のフライト終了時に「エンジンに異常ある」と報告していたにも関わらず、整備士が遅延による罰金を恐れ、「もう1往復してからにしてほしい」と申し出たため、点検修理をせずに飛び立った。
タイの航空関係者は、エンジンに異常がある事を認知してのフライトに唖然としている。「航空会社にとって一番重要なのは安全運航で、整備士の機長に対しての要求も非常識だが、機長がエンジンに異常がある事を知りながら飛行機を飛ばしてしまうことは、真面な航空会社では有り得ない異常なことだ。安全を無視してでも飛ばさなければならない複雑な事情があるのか」と首を傾げる。
運航していたのは、台北と中国厦門沖の金門を70分で結ぶ路線で、毎日6往復運航している。
整備士が遅延が発生した場合、台湾民用航空局に罰金を科せられるのを恐れたという事が真実だとすれば、台湾の航空行政の異常性が事故の大きな要因と言えそうだ。
【編集 : 高橋大地】
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