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ランドバンキングが熱い!? タイ西部の地価が急上昇しているその分けとは!? 

Global News Asia / 2015年3月1日 11時0分

カンチャナブリは戦場にかける橋など有名な観光地でもある。タイの法律上、外国人がタイの土地を購入することは出来ないが、日本人常駐の「アセアンランドバンキング」を通すことで特例として購入が可能になる。タカダタネオミ撮影。

 2015年3月1日、タイ国内では土地の売買で利益をあげるランドバンキングが注目される。中でもタイ西部のカンチャナブリ県での投資が非常に盛んだ。

 その理由は2015年12月に発足予定の経済共同体が関係している。AECと呼ばれるこの共同体には東南アジア全域の経済の発展が望まれている。地域間の輸出入の規制緩和や流通経路の確保など、自由な貿易ができるようになる。

 タイは2006年から政情不安が続くが、立地的な条件から各国を繋ぐ陸路輸送用スーパーハイウェイのすべてが通過するため、さらなる発展が期待される。2006年にはベトナムのダナンを起点にラオス南部経由、タイ国内を横切ってミャンマーのモーラミャインまで続く『東西経済回廊』が、2008年に中国雲南省昆明からバンコクまでの『南北経済回廊』がそれぞれ開通している。

 隣国ミャンマーと接するカンチャナブリ県のランドバンキングが盛んなのはベトナムのブンタウを起点とし、ホーチミンやカンボジアのプノンペン、タイはバンコクと主要都市を通過してミャンマーのダウェイまで続く『南部経済回廊』の候補地になっているからだ。開通は2020年以降になる見込みで、すでに土地の値上がりを見込んだ内外の投資家たちが巨額の金を田舎の町に落としている状態だ。2013年1月にはタイのインラック前首相が、2015年2月にはプラユット現首相がそれぞれ安倍総理との会談でダウェイ港の重要性を挙げているほど、この回廊の建設にタイ政府も力を入れている。

 WEBサイト「アセアンランドバンキング」を運営するSRCS International社が取り扱う土地を例に挙げると、現在で1ライ(タイの土地の単位で、約1600平方メートル)当たりがおよそ55万バーツの土地は3年ほど前は平均20万バーツ程度だったそうだ。また、やや市街から外れる土地でもつい先日までは35万バーツだったものが、今では50万バーツにまで上がっている。現状はたった数年で2倍以上の値上がりは決して珍しくないので、ほぼ確実に利益をあげられる状態になっている。この事実がカンチャナブリのランドバンキングにより拍車をかけている。

 政情不安が強く残るが、AEC発足後は立地条件や工業関係のインフラが整っているタイがイニシアチブを取ることは間違いない。このカンチャナブリの地価急騰はしばらく続きそうだ。
【取材/撮影 : 高田胤臣】

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