戦前に日本で製造された軍艦をじっくりと見学できる公園がある
Global News Asia / 2015年3月10日 11時3分
2015年3月8日現在、タイ海軍施設内の公園には日本製軍艦がある。
バンコクに流れる大河・チャオプラヤ河は昔からタイの歴史に大きく関わってきた。14世紀から18世紀まで続いたアユタヤ王朝はこのチャオプラヤ河の上流にあり、外国船の多くがここを遡っていった。
近代では、1890年代に英国から輸入した当時最新式の砲台でチャオプラヤ河に侵入してきたフランスの軍艦と戦った。このときは侵入を阻止できなかったものの、植民地化を避けることができ、当時の国王ラマ5世王は自由の象徴となった。
この砲台があったチャオプラヤ河 河口はプラジュンジョムクラオ要塞と呼ばれ、今は海軍施設の中にある、一般に公開された公園となっている。
公園にはラマ5世王の銅像があるのでタイ人にとっては神聖な場所であるが、日本人にとっても実に関係が深く、興味深い場所になっている。というのも、この公園に展示されている軍艦が戦前に日本で製造された船だからだ。
展示されているのはメークロン号で、1937年に横須賀で建造、タイ海軍に納入され、1976年ごろまで現役で活躍。その後は練習艦として使用され、1996年に退役し、この公園に展示されることになった。
メークロン号は昼間は開放されているので、展示品でありながら艦内のほぼすべてに入り、装備に触ることができる。日本では考えられないことだが、タイを始め、東南アジア諸国の博物館はこのように展示品に触れることができる場合が多い。その代わり、本来あった形のままなので、メークロン号の船橋に上がるには急な階段を登ったりしなければならず、足を滑らせたらかなり危ない面もある。
バンコクの郊外で日本の歴史に触れてみるのもまたひとつの観光としてオススメしたい。
【執筆 : 高田胤臣】
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