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バンコクの日本人が多いプロンポンエリアに「北朝鮮レストラン」が復活

Global News Asia / 2015年3月9日 11時0分

バンコクに復活した北レス「平壌アリランレストラン」(scyoo 提供)

 2015年3月7日、2008年末にリーマンショックの影響で閉店したバンコクの北朝鮮レストラン(以下北レス)が復活した。「平壌アリランレストラン」として2月にプレオープンし、3月1日にグランドオープンとなった。

 北レスは外貨獲得を目的に北朝鮮から派遣された女性スタッフが在籍するレストランで、中国を中心にアジアの大都市に点在する。一番のウリは午後7時頃から開催されるステージショーだ。どの北レスでも30分ほど生バンドをバックに歌や踊りに伝統楽器の演奏などを披露している。もし、このステージショーがなければ味のパンチが弱くて高いだけの料理店となってしまうくらい北レスの価値を決定づける要素と言っても過言ではない。

 元々、タイにはバンコク郊外とパタヤの2箇所に北レスが存在していた。オープンがアジアのどの都市よりも遅い2006年だったのは、北朝鮮とタイの両国関係に原因があると思われる。なぜなら、タイは朝鮮戦争時、連合国側に属したため北朝鮮から見るといわば敵国とも言える関係だったからだ。そんな連合国側の国での北レスオープンはタイが初となる。

 リーマンショック後に閉店を余儀なくされたのは韓国人をターゲット客にしていたからと言われる。リーマンショックでの韓国企業の撤退や韓国人旅行者の激減は日本で伝えられている以上だったので、韓国人客に依存していた北レスは経営に行き詰まった。

 新しく生まれ変わった平壌アリランレストランは、日本人も多いプロンポンエリアにあり、スクンビット26、BTSの駅から1キロメートルほど奥に進んだ場所にある。決して便利な場所ではないが、ロケーション的に日本人客も狙っていることが分かる。

 グランドオープン後の3月3日に訪れてみたが、プレオープン時とほとんど変わっていなかった。北朝鮮人の女性責任者に聞くと、2日までビザ等の問題で北朝鮮人スタッフが来タイできず、グランドオープンできずにいた。そのため店にいる北朝鮮人は、話をしている女性責任者の他、料理人の2人だけで、当然ながら最大の目玉であるステージは行われていない。また、一部食材も本国から届いていないらしく、北レス名物の「平壌冷麺」も注文できない。

 店内は1階のみで10テーブルほどが並ぶ広さだが、現時点ではガランとして広々と感じる。プレオープン時は朝鮮語のみのメニューだったが、今回訪れるとタイ語と英語が追加されており、ゆっくりではあるが着々と準備が進んでいることが感じられた。ちなみに予算は1人600バーツくらいとなる。

 前出の女性責任者の話では、来月には北朝鮮からの女性スタッフが勢揃いするそうだ。来月のタイの正月「ソンクラーン」には真のグランドオープンを迎え、華麗なステージショーがバンコクで楽しめるようになりそうだ。
【執筆 : 我妻伊都】

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