【タイ】ミャンマーとの国境貧困村で障がい者の自立を支援―在タイ日本国大使館
Global News Asia / 2015年3月14日 10時0分
日本では、障がい者の自立支援は、自治体を中心に取り組まれている。しかし、アジアでは社会的な弱者は、何の救済策も講じられず、不幸のどん底に放置されるケースも少なくない。草の根・人間の安全保障無償資金協力は、そうした人たちを救っている。大使館提供写真
2015年3月13日、在タイ日本国大使館は、草の根・人間の安全保障無償資金協力で「カンチャナブリ県サンクラブリ郡における少数民族等のための障がい者自立支援センター建設および研修施設整備計画」の費用、総額291万2300タイバーツ(約1080万円)を支援することを決めた。
在タイ日本国大使館で署名式がおこなわれ、齊藤貢次席公使と「サンクラブリ・セーフハウス(SSH)」の理事 スコット・マレー医師が出席した。
この計画の支援対象となるSSHは、ミャンマーと国境を接する貧困遠隔村であるカンチャナブリ県サンクラブリ郡ノングルー地区で、国籍・出自不明の精神・身体障がい者のために、1992年に設置された施設。利用者は、ミャンマーやタイの社会保障制度の保護下に入ることができず、とても不安定な困窮した状況下で、病を抱えながら生活している。また、彼らが公的施設や地域社会に受け入れられる機会は非常に稀で、自立の術を持たないために、衣食住の確保は生命に関わる重要な問題となっている。
現在、SSHでは約40名が伝統織物・裁縫・農業などを営みながら生活している。SSHによる保護を必要とする人々は依然として多数残されているにもかかわらず、経済悪化の影響などで寄付金が減少しているため、全てのニーズに対応することができていない。そのため、ここ数年間は受け入れ人数を縮小しながら施設継続に努めざるを得なかった。この状況を改善するために、SSHは障がい者自立支援センターを建設し、研修施設を導入することによって、利用者の社会復帰を支援するとともに、より多くの人々に生きるための機会を提供することを目指すことにした。
今回、日本政府は、この計画が社会保障制度枠外にいる長期療養者または重度障がい者などにとって、数少ない受け皿となり「人間の安全保障」の観点から緊急性や必要性が高いため支援する。
【編集 : 高橋大地】
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