【タイ】戒厳令解除へ首相が国王陛下へ上申
Global News Asia / 2015年4月2日 9時0分
2015年4月2日、タイ軍政が戒厳令の解除へ動き出したと3月31日にタイのメディアが一斉に報じた。
報道によるとプラユット首相が戒厳令の解除についてプミポン国王陛下に伺いを立てたという。
タイ軍政のプラユット首相は31日、昨年5月22日に発令され、現在まで続けられている戒厳令を解除することを決断。国王陛下に上申し伺いを立てたとタイメディアが報じている。
これまで何度か限定的な解除の報道が報じられて来たが、国王陛下へ上申との一報に経済界や観光業界は、概ね歓迎の意向を表明している。
しかし、代わりに暫定憲法44条を持って、軍が引き続き国内の治安を維持することの正当性を持たせたい構えだ。
暫定憲法44条は、英文ではsection44と報じられているが、大よその内容は、タイ国首相は必要に応じて治安維持の為のあらゆる決断と要請が出来る権限を持ち、また軍はその要請に従い、治安維持に反する行為に対して、令状無しに対象人物を拘束できる。というものだ。
このように名称が変わるのみで、内容として実態はそのままであり、首相一人に権限が集中するため、その危険性が指摘されている。
人権擁護団体などは、戒厳令解除は歓迎するも憲法44条の適応がされることが適当かどうかは疑わしいとしている。
また外国人記者から、44条は民主主義に反していると多くの人が指摘していることについて質問されたプラユット首相は「民主主義とは何か? タイは民主主義のプロセス上、ボタンを掛け違えて来た」と答えた。
プラウィット副首相は「後ろめたいことがないのなら44条の適応について思い悩むことは無いだろう。悪事を起こそうとする者だけがこれを恐れている」とコメントした。
結局の所、対外的に表看板を架け替えるだけだが、戒厳令が解除されるということで、停滞が見え始めたタイ経済界にとっては、一筋の光として期待する向きが多い。
※本記事翻訳直後の1日21時30分頃、戒厳令が解除され、新たに44条が適応される旨の臨時政権放送があった。
【翻訳/編集 : そむちゃい吉田】
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