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【カンボジア】カンボジアで行われる伝統療法を体験した

Global News Asia / 2015年4月4日 17時0分

『カオホ・クチョル』は金属のへらで肌を擦る。傷をつけることで自然に体の治癒力を高めるのがこのカンボジア伝統療法の基本なのかもしれない。(高田胤臣 撮影)

 2015年4月4日、カンボジアで伝統療法を体験した。

 カンボジアの伝統療法はふたつあり、小さな瓶で背中を吸引する『チョップ・クチョル』と、金属のへらで肌を擦る『カオホ・クチョル(もしくはコ・クチョル)』がある。

 両方とも血行をよくさせることで頭痛や病気、二日酔いなどに効果を発揮するとされる。

 ただ、カンボジア人の中でもこの療法に疑問も持っている者も少なくなく、西洋医学を学んできた医師らは医学的根拠はないと見解を出している。

 頭痛やなんらかの病気による痛みが緩和されるのは施術により受けた刺激でエンドルフィンが生成され、痛みが一時的に治まると考えられる。しかし、それ以外には症状の治癒効果はまったくなく、単に血管の細胞などが破壊されているだけだと指摘される。

 実際に体験してみた。まずは『カオホ・クチョル』だ。仰向けに寝転がされ、鎖骨から胸にかけてメンソール含有の油を塗られた。そして、裁縫道具のルレットに似た金属のへらを使って肌を擦られる。開始直後は痛みはなく気持ちがいいのだが、徐々に施術箇所が熱くなり痛みを伴い始める。へらが肌の細胞をゴリゴリと潰していくような感覚があり、非常に不快だ。

 続いて俯せになり『チョップ・クチョル』を受ける。細い棒の先に芯になる脱脂綿をつけ、アルコールに浸して点火する。これを瓶に差し込んで火が消えた瞬間に背中に乗せていく。瓶の中を真空にして肌に吸い付かせるのだ。これも最初は痛みはないが、瓶の重さで徐々に息苦しくなり、密接した瓶と瓶が肌を引っ張り合って痛くなってくる。さらに、ビンの口の大きさの関係でできた隙間を再度吸うのだが、この2回目は最初よりもずっと痛い。

 終わったあとの痕を見ると内出血している箇所に濃い部分と薄い部分ができる。カンボジア人はそのツボの内臓が悪いと濃く出るのだと考え、場合によっては別の療法を受けるのだが、多くの場合で特になにもしない。

 結局はわざと体にダメージを与えることで体が自然に治癒力を高めることを期待しているのがこの療法なのかもしれない。
【執筆 : 高田胤臣】

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