【マレーシア】需要が高まりつつある電子たばこ
Global News Asia / 2015年4月13日 11時0分
2015年4月13日、マレーシアの電子たばこ事情を紹介する。
マレーシアは隣国シンガポールの影響もあってか、たばこの規制が厳しい。例えば、たばこの販売促進や、それらに伴うスポンサーシップ、広告掲載が禁止されているほか、たばこのパッケージにマレー語と英語で40~60%の面積を取って健康被害に関する警告を記載しなければならない。また、空調設備がある飲食店や公共施設での喫煙は原則禁止になっているなど、喫煙者にとっては肩身の狭い規制がある。さらに、低所得者向けへのたばこのばら売りも禁止され、1箱の値段が日本円で300円前後になっている。水のペットボトルなどが30円程度で手に入る物価レベルからするとかなり高価である。
喫煙歴の長い日本人が首都クアラルンプールに旅行した際、電子たばこ店が多いことに気がついた。
「たばこの値段が高いことと、電子たばこのメリットが需要に高騰に繋がったのかもしれませんね」
電子たばこというのはバッテリーを使ったリキッドの噴霧器具で、電気でコイルなどを熱し、リキッドを気化させてそれを喫煙者が吸い込むというものだ。日本ではニコチン入りのリキッドは「ニコチンを含む電子タバコは、基本的に、薬事法に基づく承認(有効性や安全性などの確認)が必要ですが、これまで国内で承認された製品はありません(日本厚生労働省ホームページより)」のため、個人輸入などでしか手に入らないが、クアラルンプールでは街中の店頭でもニコチンリキッドと共に1万円以下でも購入できるという。
電子たばこのイメージとしては禁煙のひとつのステップというものがある。確かに、植物性グリセリンが主成分でニコチンを含まないリキッドであれば、たばこ風味を感じながら、たばこの本数を減らすことができる。しかし、ニコチン入りリキッドの場合は禁煙を目的としておらず、俗にいうニコチン中毒の方が摂取するのに利用する。
電子たばこのメリットは、まず蒸気なのでたばこの燃焼で発生するタールなどの有害物質とは無縁になる。また、周囲も副流煙などの被害がない。実際に隣でその煙のにおいを感じる分には香料のためかフルーティーな匂いがしていた。
世界的に喫煙者の権利が狭められていく中、この電子たばこは今後需要がさらに拡大しそうである。
【執筆 : 高田胤臣】
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