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【タイ】5月からタイ東北部各地で始まる奇祭「ロケット祭り」

Global News Asia / 2015年4月27日 10時0分

打ち上げ台の周辺は立ち入り禁止になっていない。何発かが無事に発射されると安心感が油断させるのだろう。どんどん人が近寄ってくる。もし打ち上げが失敗したら大惨事に至る可能性が高い。(G-DIARY 提供)

 2015年4月27日、タイの東北部では「ブン・バンファイ」という祭りが毎年5月から各地で始まる。ブン・バンファイとは、通称「ロケット祭り」と呼ばれ、タイの奇祭の1つに数えられている祭りだ。

 タイでは5月から雨季とともに農期が始まる。この時期、農作物への十分な雨量を願い空の神様であるパヤ・テーンに雨乞いをするため、竹製のロケットを打ち上げたことがロケット祭りの始まりとされている。

 打ち上げられるロケットは祭りの前日から当日にかけて制作される。ロケットといっても打ち上げ花火を巨大にしたようなもので、一基の制作に数名を要し、費用は大小によって異なるが約1万5000バーツ(約5万4000円)。

 完成したロケットはスタッフたちの手で打ち上げ台まで運び、縄で縛り付け固定する。遠隔操作により着火されたロケットは最高1千メートルの上空まで打ち上げられるという。

 タイ東北部各地で催されるロケット祭りの中で、もっとも規模が大きいのはヤソートーン県だ。今年は5月7日に開催を予定している。その他、日程は異なるがウドンタニ県やガラシン県、ロイエット県でも開催される予定だ。

 尚、ヤソートーン県は埼玉県秩父市と関わりがあり交流が深い。秩父市の吉田では毎年10月「龍勢祭り」という、タイのロケット祭りと同じような祭りがあり、そのことがきっかけで交流が始まったのだという。秩父市吉田の方々は毎年、ロケット祭り観覧のためヤソートーン県へ足を運び、県と交流を図っているのだ。交流は昨年で20周年を迎え、秩父市の久喜市長も訪れている。

 打ち上げられるロケットは鼓膜をつんざくような爆音を発し、眼前で観覧するとその迫力に圧倒される。観覧してもらいたいタイの祭りの1つだ。

 ただ観覧するにあたり、注意してもらいたいのは事故である。打ち上げられた後のロケットが住宅街に落下したり、打ち上げ失敗により近辺の観衆に被害が及ぶなど、毎年のように事故の報告が聞かれるのだ。

 もう1点、この時季の東北部は非常に暑く、会場には陽を遮る屋根なども少ない。自身で日傘などを持参して、熱中症対策は施しておくことも重要だ。
【執筆 : 西尾康晴】

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