【ラオス】自衛隊OBらが中心になってラオスで不発弾処理を進めている『日本地雷処理を支援する会』
Global News Asia / 2015年5月6日 9時0分
JMASは2014年まで、南部を中心にJMAS職員が現場での活動をしてきた。欧米からも不発弾処理のNGOなどが来ているが、彼ら自身が主体となって処理をして行くのとは違い、JMASはラオス人の不発弾処理のエキスパート育成に力を入れている。職員が現場で活動をする目的は指導だった。
2015年に入り、現場での育成活動はいったん終了し、次の段階に入った。それは首都ビエンチャンに教育センターを設立し、基礎から高等技術のトレーニングカリキュラムを実施することだ。この教育プロジェクトは2014年11月に開始され、施設建設後、今年3月にトレーニングが開始されている。
ここで教えている高等技術は日本の自衛隊が行っている「爆弾のこぎりカット法」という現場で爆弾をカットしてしまう技法だ。
ラオスでは地面への衝突速度や地盤の硬さの関係で不発弾が著しく変形し、爆発の要になる信管を取り外すことが困難なことが多い。山中など、人気のない場所であればその場で爆破処理もできるが、民家そばなどでそれができないときにこの技法が活用できる。
実はこの技法はすでに日本でも減りつつあるやり方である。危険であるし、機械で無人処理もある程度できるようになったためだ。ラオスではコストの問題、道路が劣悪で運び込めないなどの理由で導入が困難である。そのため、最終手段として現場でカットする方法を教え、ラオス人エキスパートだけでも活動ができるようにトレーニングを行う。資格認定は現場で3本以上の本物の不発弾のカット成功という命がけの試験になる。
JMASはその活動費用を日本政府からの支援と民間人からの寄付で賄っている。日本政府から出ているものは用途がきっちりと規定されている。しかし、外国という地ではそこからはみ出した出費も少なくない。その分を民間の寄付金などで賄っている。隣国タイと違って知名度の低い国だが、実はこういった問題を抱え、日夜、元自衛官たちが己の信念だけを胸に、ラオスが真の平和を迎えるために命をかけている。
【執筆 : 高田胤臣】
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