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【タイ】注目度アップのタイ産コーヒー豆を堪能する

Global News Asia / 2015年5月27日 17時0分

タイのバリスタであるエムさん。彼女自身はタイ族の女性で、アカ族に嫁ぎ、コーヒーの奥深さを知った。(高田胤臣 撮影)

 2015年5月27日、タイ北部のチェンライ県山中にあるコーヒー豆農園を取材した。

 近年、タイ産のコーヒー豆が注目を浴び始めている。バンコクでも北部発のコーヒーショップも増えた。ドイとつく名前の店は大概北部産の豆を使っている。ドイというのは北部の言葉で山という意味である。

 タイ北部は麻薬の原料にもなるケシ畑があったが、その代替作物のひとつとして提案されたのがコーヒー豆だった。

 取材したコーヒー豆農家はチェンライ県のアカ族が運営していた。コーヒー豆はその性質から標高1200メートル以上に植えられる。タイ北部の山岳地帯には独自の文化を保ったまま生活をする山岳少数民族が多く、部族によって好む居住標高が違っている。アカ族は1000メートル以上の山の斜面に集落を形成する傾向にあるので、ちょうどコーヒー生産にも向いていると言われる。

 取材したエムさんは山の麓でコーヒーショップと焙煎工場を同時に経営する。彼女はバンコクでバリスタのスクールに通った。また、公共保健省からコーヒーショップ経営の必要な許可証はすべて取得済み。コーヒーへの思い入れは強い。

「当農園は私の夫とその弟、親戚がそれぞれ担当し、合計で年間20トンの生産量です」

 ほとんどがOEMとしての生産で、契約したバンコクのコーヒーショップなどに卸している。コーヒーショップによってはほかの農園から仕入れた豆や等級が違うものを混ぜてしまう。しかし、こだわりのあるエムさんはOEMで自分の名前を出せなくとも、プライドを持ったコーヒー豆作りと、ほかの農園との差別化に力を入れる。

 そんな思いが認められてか、エムさんはこの業界では知られた存在で、彼女の農園にはタイの王女シリントーン殿下も訪れている。

 このエムさんのコーヒーは日本人滞在者の多いスクムビット通りソイ35にある『茶庵はかた珈琲 バンコク焙煎倶楽部』でも販売されている。店内で飲むこともできるし、焙煎した豆を購入して自宅でも楽しめる。ここだけでしか買えないオリジナルのパックもあって、日本への土産としても重宝できる。
【執筆 : 高田胤臣】

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