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【タイ】東京有数の観光地でタイ人らに人気のゲストハウス

Global News Asia / 2015年6月20日 11時0分

浅草駅から徒歩3分もかからないような好立地にある「カオサン東京ゲストハウス」のオリジナル店。(高田胤臣 撮影)

 2015年6月20日、東京都内で人気の観光地、浅草にあるゲストハウスの姿が、今後の外国人への日本観光誘致の鍵になるのではないかと感じている。

 ご存知のように浅草は日本ならではの下町文化を感じることができる街で、国内外からたくさんの観光客が訪れる。雷門や浅草寺といった見所だけでなく、周囲にはたくさんの歴史ある商店や飲食店が立ち並んでいる。

 昨今の日本への観光客は中国人(もしくは中華系人)が多いようだが、東南アジアから訪日する旅行者も増加している。特に約2週間までの滞在であれば入国ビザが免除になるタイ人が続々と訪れており、2015年5月には8.1万人が訪れている(日本観光局 6月17日発表の推計値)。東南アジア諸国はそれぞれ1万~2万人台である点から見ても、この人数は非常に多い。

 ただ、物価が日本よりも多少安いタイからすると、日本のそれはまだまだ高い。中でも宿泊費が高額になるケースが多い。タイの場合、宿泊施設の料金は部屋単位であるのに対し、日本は宿泊客のひとり頭に対してなので、より高く感じるようだ。

 そんな中、2002年に行われたサッカー世界大会の日韓ワールドカップの開催前に欧米諸国からの旅行者に人気になった日本のゲストハウスがタイ人にも注目を浴びている。

 当時は低予算でサッカー観戦をしようと目論んだ外国人旅行者と、東京都内で日雇い労働者が多く集まる荒川区南千住周辺の山谷(さんや)と呼ばれる地域の安宿の経営者たちの思惑が一致し、たくさんの外国人が訪れた。

 そのころから東南アジアなどに多いこのゲストハウスという宿泊施設の形態が日本各地に増え始めた。ゲストハウスは簡易宿泊施設で、トイレや風呂が共同で食事は自炊か外食になるなど不便を強いられるが、宿泊料金が安いという特徴がある。

 浅草にもいくつかゲストハウスがあり、東武スカイツリーライン浅草駅から徒歩3分という好立地にある「カオサン東京ゲストハウス」が特に人気だ。2004年にここで始まり、現在では東京都内に6軒、他にも京都や福岡、札幌に系列ゲストハウスができている。カオサンというのはバンコク市内にある、世界的に有名な低予算旅行者が集まる安宿街だ。

 ここに宿泊するタイ人女性ふたりに話を聞くことができた。
――学生ですか
「会社員です。10日間ほど有休を使って、東京だけで遊んでいます」
――このゲストハウスはどのようにみつけましたか
「パンティップ(タイのネット掲示板のひとつ)でここがオススメとあったので」
――ほかのホテルより安いですか
「そうですね。それに立地もいいですし。今回は渋谷や上野などで買いものをいっぱいしたいので、できるだけホテルは安く、駅に近いところを探していました」
――ここはタイ人に人気なんですか
「そうだと思います。今回、私たち以外は欧米系の人ばかりですが、タイのネットではこのゲストハウスは話題になっています」

 タイ人旅行者は言葉の問題などもあってパッケージツアーで来日するケースが多い。しかし、5日間程度で福岡、大阪、御殿場、東京、札幌を周遊するような強行スケジュールも多く、束縛されることを嫌うタイ人にはただ疲れるだけのようだ。

 若い人は勢いで個人旅行をする。そんな場合にこういったゲストハウスの存在が大きいし、意味があるのだ。特にこの「カオサン東京ゲストハウス」のオリジナル店は非常に駅が近く、便利である。

 こういった宿泊施設が増えれば、外国人旅行者も増加するだろう。むしろ、2020年の東京オリンピックに向けて、こういった形態の宿泊施設はもっと増えなければならないのではないだろうか、とゲストハウスの建物を見上げて思った。
【執筆 : 高田胤臣】

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