【タイ】海猿も待っている、マングローブ植林地で「泥」と「水上スキー」を楽しむ
Global News Asia / 2015年6月20日 10時36分
2015年6月19日、タイ国政府観光庁が推奨する「タイ12の秘宝」の一つ、サムット・ソンクラーム県。この県にある、クロンコーン・コミュニティを、地球環境の保全を推進する・NPO法人日本エコツーリズム協会事務局の高野千鶴さんが視察に訪れた。
クロン・コーンは、30年ほど前、マングローブを伐採して、エビ養殖を始めた結果、海が汚れてしまって大失敗。海老も育たなくなり、カニや貝などの海産物も取れなくなってしまった。収入を得るため村を捨て、バンコクに移り住むしかない人が多くなった。
なんとか、綺麗で恵みの多い海を取り戻そうと、24年前からマングローブの植林を始め、今では、週末には多くの人が、新鮮なカニや海老、貝などのシーフード満喫するためクロン・コーンを訪れるようになった。マングローブ林の中にあるレストランの中央には、成長したマングローブの木もあり、木陰が心地よい。
マングローブ植林地には、柔らかい泥が広がっており、板に乗って進まないと歩行が難しいほど。粒子の細かい粘土質の泥には、様々なミネラルが含まれていて、美肌効果もあるらしい。
人気の水上スキーは、浅瀬で行なうため波も無く初心者にも最適、海底は、柔らかい泥でクッション効果もありボードから落ちても安全だ。
マングローブの植林には、体験型ボランティア活動として、大学生や高校生、職場単位で多くの人が参加しているが、一人からでも参加できる。マングローブと共生する猿は、移動中のボートに餌を求めてやってくるほど。バナナを投げると、俊敏に受け取る姿が愛くるしい。
高野千鶴さんは「地域のコミュニティが自主運営での植林を継続して、豊かな海を取り戻すための活動は、素晴らしいです。マングローブの植林で泥だらけになった体験は、ストレスから放たれた開放感を味わえます。小さな海老漁のおばさんから、獲れたての海老を食べさせてもらい、よみがえった豊かな海を満喫できました」と話す。
マングローブ植林を進め、周りに生物が集まり豊かな生態系が育まれ、漁獲量も回復してきた。バンコクに行ってしまった村の人々の多くが、豊かな海と共生するため、村に戻ることが出来た。高波や津波に対する防災効果も見込めるマングローブ林、これからも植林を続けて行く。クロン・コーン・コミュニティは、バンコクから70キロの距離。渋滞が無ければ約90分で到着する。
サムット・ソンクラーム県には、ココナッツファームや、ホタルの群生地もある。
【編集 : TY】
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