【タイ】最大手の歌謡レーベルの20周年記念アルバム発表サイン会

サイン会の前に、揃ってアルバム発売記念Tシャツで集まったファンと一緒に記念撮影。(そむちゃい吉田 撮影)

　2015年6月25日、タイ最大の音楽レーベルGMMグランミー社傘下で、タイの歌謡曲ルークトゥン専門のレーベル、グランミーゴールド社が20周年記念アルバムを発表。記者発表とサイン会が開かれ、多くのマスコミとファンが詰め掛けた。

　グランミーゴールド社が、設立20周年を迎えるにあたって発売された記念アルバムでは、所属するアーティストの中から第一線で活躍するトップ歌手28人が参加している。この20年の間にヒットした、アルバム1枚では収めきれないヒット曲を、それぞれにオリジナルとは別の歌手がカバーして歌う企画。懐かしい曲からつい最近のヒット曲まで、歌い手が変われば聞き慣れた曲も、新たな息吹を吹き込まれたかのように、新鮮な響きを持って生まれ変わっている。

　この日、アソーク通りにあるGMMグランミー本社ロビーでは、10人のトップ歌手が参加してアルバム発表記者会見とサイン会が行われ、多くのファンも詰め掛けた。この日サイン会に現れたのは、女性歌手では断トツでトップ人気のターイ・オラタイや同じく男性歌手トップ人気のパイ・ポンサトン。足掛け3年に渡る超ロングヒットで、話題になったインリー・シーチュンポンや大ベテランのシリポン・アムパイポンのほか6人。

　「私の歌　あなたの歌　私たちの歌」とのタイトル通り、Vol.1から3まで、それぞれバラ売りされており、ファンは自分の好きな歌手や歌が収録されているものを選べるようになっている。集まったファンたちは、3枚を一緒に買う人や、好きな1枚だけを選んで買う人などそれぞれだった。

　タイの歌手、特にルークトゥン歌手は、自ら苦労して成功した人が多い為か、ファンとの交流を大切にしている。いつどんな時でも嫌な顔をせずに、ファンの列が途切れるまでサインや記念撮影に応じる。この日も顔なじみのファンから初めてというファンまで、1人1人と丁寧に会話を交わす姿が見られた。

　現在、タイでもCDの売上げは下降の一途を辿っており、数年前にはCDのプレスを請け負う製造工場も1社のみになっている。

　主流は、すでにダウンロードによる販売になっており、各音楽レーベルは独自のサービスと共に、携帯会社やiTunesストアなどから配信している。さらに最近、LINEも音楽配信に進出して話題になっている。

グランミーゴールド社では、今回参加できなかった歌手たちによる同様のサイン会を30日にも同所で開催予定だ。
【取材/執筆 : そむちゃい吉田】