【インド】金融マーケットの分析レポート―HSBC投信
Global News Asia / 2015年7月17日 20時7分
<マーケットサマリー>
株式市場
6月のインド株式市場は、SENSEX指数が前月末比-0.2%となった。主要国市場は米国の利上げ観測やギリシャ情勢が注目され総じて下落したが、インドでは主としてモンスーン期(6月~9月)の降雨量に関する報道が相場を動かし、僅かな下落にとどまった。
気象局は今年は降雨不足との予測を発表し、株式市場ではこれが一時売り材料となった(降雨量不足の場合には、農産物の不作から経済成長率低下、インフレ率上昇の可能性)。しかし、6月から現在までは、平年を上回る降雨量が観察されており、株式市場を支える要因となっている。
7月以降も降雨量の動向が市場に影響を与えることが見込まれる。但し、7月以降の降雨量が不足した場合でも、政府は在庫の取り崩しなど供給サイドから対策を講じるものと見込まれ、過度な懸念は必要ないものとHSBC投信では見ている。
債券市場
6月は、ギリシャ情勢など主として海外要因から、他の新興国債券市場とともに、インド債券市場も不安定な動きとなり、10年国債利回りは0.22%上昇した。
7月に入り、国債の新規発行の一部中止による需給改善などから、インド国債利回りは低下している。また、外国機関投資家の国債投資枠をルピー建てで算定することが検討されており、為替変動に伴うポートフォリオ調整の負担軽減が期待できることから、投資家心理が改善している。
為替市場
インドルピーは対米ドルで6月半ば以降上昇、月間では+0.27%となり、他のアジア通貨をアウトパフォームした。堅調な国内景気指標に加え、軟調地合いの原油市況(インドは石油消費の8割近くを輸入に依存)もインドルピーにとってプラスに働いた。
今後のルピー相場については、引き続き強気に見ている。米国とインドのインフレ率格差は安定ないし縮小傾向にあり、原油安と経常収支赤字の縮小も引き続きルピー相場を支えよう。インドルピーは6月末の63.6ルピーから強含み、短期的には対米ドルで60~64ルピーのレンジで推移すると予想している。
【編集 : TY】
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