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【タイ】ガイヤーン・ウィチェンブリーが下町で人気

Global News Asia / 2015年8月13日 17時0分

タイ北部発祥のガイヤーン・ウィチェンブリーは、外はパリパリ、中はジューシーな仕上がりで、ソースなしでも十分においしい。(高田胤臣 撮影)

 2015年8月13日、タイ料理の中でタイ人からも外国人からも好まれるメニュー、ガイヤーンのひとつを紹介する。

 タイ風焼き鳥とも訳されるこの料理は、単純に鶏肉を焼いただけの料理であるが、シンプルなので誰にでも食べやすい特徴がある。

 ガイヤーンはどれも同じに思われる傾向にあるが、実は地域によって味つけが違っており、有名なものはその地名を冠してバンコクなどでも人気になっている。

 その中のひとつが、タイ北部ペッチャブーン県のウィチェンブリー郡発祥のガイヤーン・ウィチェンブリーだ。バンコクでは有名な大きな店はないが、ラチャダピーセーク通り周辺の下町などにある食堂や屋台で売られている。

 ガイヤーン・ウィチェンブリーは外側がパリッと焼かれ、中はジューシーなままの柔らかい焼き鳥で、肉自体には特に変わった仕込みをしてはいない。ほかのガイヤーン同様にナンプラーやニンニクなどで味付けをする程度である。特徴的なのは食べるときに使うソースで、タマリンドを多用して甘いものや、ニンニクの漬けものを使ったものなどがある。

 この料理が誕生したのは1959年ごろとされる。ウィチェンブリー郡周辺で暮らしていたヌアンばあさんとペじいさんが始めたという話が残っており、誰にでも好まれる味にすることを優先していたという。というのは、この地域は特に産業や名物もなく、国道21号線をチェンマイなどに北上する車がただ通過するだけだったため、このふたりの老人や村人がドライブスルー代わりに道端で車向け屋台にしたからだ。その後、タイの大手新聞の「タイラット」紙の記者が立ち寄った際に気に入り、記事にしたことで知名度が全国区になった。

 タイでは今でも各地でご当地ガイヤーンが誕生しており、村おこしのひとつの材料として利用されている地域もある。ガイヤーンと一口に言うが、このようにオリジナリティー溢れるものがたくさんある。
【執筆 : 高田胤臣】

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