【タイ】津波から見事な復興をした知られざる大人のリゾート「カオラック」 

Global News Asia / 2015年8月31日 9時0分

タイ人と外国人の隔てなく一丸となっての復興。会社と従業員が一つになっての復興。参考になるいくつもの実例がここある。復興の先人となったカオラックラグーナリゾートには日本人スタッフも常駐している。(そむちゃい吉田 撮影)

 2015年8月30日、タイ南部パンガー県カオラック。かつてスマトラ沖地震による津波で、タイ国内最大の犠牲者を出した地域が今、欧米人に絶大な支持を受けるリゾートとして人気だ。

 津波によってすべてを流されてしまったとも言える状況から、見事な復興を遂げ、一大リゾート地となった街を訪ねた。

 2004年12月26日午前10時過ぎ。スマトラ沖地震から約2時間後にそれは突然襲って来た。津波は、海岸沿いに居並ぶリゾートホテルを次々と押しつぶした。その数は、この地域だけで約4000人以上と言われている。タイ国内最大の犠牲者を生んでしまった地域でもある。

 プーケット国際空港から車で1時間半ほど北上した地域カオラックは、周囲に国立公園が隣接する緑豊かな地域。元々そこは、沖合のシミラン諸島やスリン島などのダイビングスポットの基地として、かつ家族連れの欧米人たちに人気のリゾートだった。

 カオラック地域に入って、すぐのところにあるカオラックラグーナリゾートも、海岸から国道にかけて、自然の地形を活かしたエスニックな平屋の作りで人気のホテルだった。しかし、その建物は津波で看板を残して全て流されてしまった。

 多くのホテルオーナーたちが再建を諦める中、このホテルは休業中の従業員の生活を保障し、再建に取り組んだ。その結果、津波からわずか2年後には再オープンに漕ぎつけている。

 現在の建物は海岸から少し段差をつけ、さらに中央のメイン棟とレストラン棟は3階建てに設計し直された。それは取りも直さず、万が一また津波に襲われた時には、宿泊客が一時的に避難できるような高さが考慮されている。

 現在では見事に復興し、集客数では被災前を上回っているカオラック地区。タイ人だけでなく、その地で暮らしていた日本人も含む外国人も、地域全体の復興に一致団結した。

 このラグーナリゾートは、オーナーと従業員が諦めずに再オープンを目指して、一致団結して再建に取り組んだ。ホテルも、地域の人々も、ほぼ全ての人々が被災者でもあったのだが、その誰もが、与えられる支援を待つだけでなく、出来る事から取り組んだ。

 そこへ政府やNGOなどの支援も、彼らの復興を支援、加速する形で押し進められた。その結果、津波から10年経った今、被災前よりも多くの観光客が訪れるという形で結実している。現在の客層は、ダイバーのほか、ヨーロッパがほとんどで、日本人はあまり来ていない。まして中国人の団体客は全く見ない。

 震災復興の遅れなどが問題になる日本においても、大いに参考にするべき事例がここにある。

 しかし、そんな深い事を考えずとも、モーターボートもジェットスキーもない、静かなビーチはまさに大人のリゾートとして、ここに来る価値は大いにある。
【取材/執筆 : そむちゃい吉田】

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