【タイ】新憲法草案否決で遠のく民主政権は用意されたシナリオか
Global News Asia / 2015年9月10日 17時0分
2015年9月10日、タイ軍政は、国家改革議会で6日に新憲法の草案を否決した。これにより民政移管への選挙は、早くとも2017年5月か6月ころになる見通しとなった。これには、軍政の自作自演による延命策であるなどの見解もなされている。
今回、国家改革議会に提出された草案には、政府が機能不全となった場合、軍・警察幹部らによる特別委員会が行政権と立法権を掌握するというクーデターの合法化のような条項が盛り込まれていたほか、非議員の首相を認め、議会上院を基本的に「専門家」による任命制に戻すなど、民主化の流れに逆行する内容が含まれていたため、タクシン派議員だけでなく、民主党のアピシット党首なども反対を呼びかけていた。
新たに提示された民政移管へのロードマップでは、10月上旬までに新たな憲法起草委員会を設置。180日以内に新憲法案を起草。再度議会へ提出され、可決されれば国民投票へと掛けられる。順調に可決された場合でも、新憲法によって民主選挙が行われるのは2017年5月か6月になることがわかった。
こうして軍政が延命とも思われることをしているのは、今回自らが得た権益を手放し無くないからという見方と、その権益強化を図っているという見方が大勢を占めている。
事実、対立関係にある警察機関の不祥事が摘発されることは多いものの、軍関係の不祥事については、深南部や人身売買に関係したとされる軍人への追求などもうやむやにされることが多い傾向にある。
また、本サイトでも以前に指摘しているが、国王陛下が高齢であることへの備えをしているという側面もある。今年も入退院を繰り返している陛下には、いつその時が訪れてもおかしくないと、タイでは誰もが思っている。しかし、不敬罪の存在がそのことに言及する事に縛りをかけている。
軍事政権と影にいるとされる王室枢密院は、軍事政権の強権を維持、延命することによって、万が一の時がいつ訪れても、国内を平定できるように備えている。
しかし、国外からの民主化移行への圧力は一層、高まる事も予想されることや、そのために景気への悪影響も予想される。
今後は、国内よりも国外関係と経済分野で、より一層シビアな判断が求められるだろう。
【翻訳/編集 : KK】
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