インドネシアルピアが大幅高で、投資家センチメントが改善―HSBC投信
Global News Asia / 2015年10月8日 15時52分
2015年10月8日、HSBC投信は、外国為替市場でインドネシアルピアが大幅に上昇しており、7日は前日比3.0%上昇、前週末比では6.0%上昇していることから、インドネシア市場に対する投資家センチメントが改善していることを伝えた。
ルピア高から、インドネシア債券市場も上昇し、10年国債利回りは7日は前日比0.09%低下し8.65%、前週末比では0.67%低下している。株式市場も上昇しており、ジャカルタ総合指数は7日、前日比+0.9%、前週末比では+6.6%となった。
<国内要因>
1、政府は7日(水)、電気料金引き下げ、燃料価格引き下げを含む景気対策を発表。
2、インドネシア中央銀行が9月30日、10月からスポット市場に加え先物市場(フォワード市場)でも為替介入を開始すると発表(実際に先物市場で介入開始)。
3、ルピアは、年初来、マレーシアリンギとともにアジア通貨の中でも大きく下落しており、売られ過ぎ感が強まっている。7日は両通貨がともに大幅高。
4、外国投資家のインドネシアに対する注目度が高まりつつあり、投資資金が流入。インドネシア株式に投資するファンドの資金フローは、7月以来、週次ベースで純流出が続いていたが、今週に入り純流入に転換。
5、ジョコ大統領がインフラ・プロジェクトを加速させる意向を示しており、その一例として、40億米ドル規模のジャワ島中部の電力発電所建設プロジェクトが施行開始。
<海外要因>
2日に発表された米国の雇用統計が市場予想を下回る弱い数値となったことから、米国の利上げが来年に先送りされるとの観測が強まり、ルピアを含む新興国通貨の多くが対米ドルで上昇。
HSBC投信の見方は、インドネシア市場に対する投資家センチメントは改善している。注目すべき点として、インドネシアではインフレ率が低下しており、9月の消費者物価指数は前年同月比+6.8%と7%を割り込んだ。また、中央銀行が、先物市場での米ドル売り介入、外貨をルピアと交換する輸出業者への優遇税制の導入など、為替安定化策を打ち出したことも市場では好感されている。
インドネシア国債については、実質利回りが過去平均と比較して魅力ある水準。また、予想インフレ率が年末に向けて低下トレンドとなることが見込まれる。
9月にFRB・米連邦準備制度理事会の利上げが見送られてから、インドネシアを含む新興国の債券市場には追い風が吹いている。但し、今後、米国が実際に利上げした際の市場の反応に不確実性が残る点を念頭に置く必要がある。
【編集 : 朝日音然】
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