【ミャンマー】飲食業界の営業時間に厳しい規制、「ミャンマードリーム」に水を差す形に
Global News Asia / 2015年10月10日 11時0分
2015年10月10日、ミャンマーでは今年5月に、アメリカ人女性観光客がヤンゴン市内のバーで飲んだ後に泥酔状態のまま深夜にタクシーに乗車し、運転手に暴行を受けるという事件が起きた。
事態を重く見たアメリカ大使館は泥酔するまで飲ませたバー側に責任があるとして、ミャンマー政府に対応策をとるよう求め、政府はヤンゴン市内全ての飲食店、バー、カラオケ、さらにナイトクラブの営業時間を23時までと決め、23時を超えても客にサービスを提供した店は即営業停止という厳しい対策をとった。
あるバーに勤務する人の話によると、店の売り上げは3分の1近くまで落ち込み、夜のみの利用者が多いナイトクラブでは、さらに80パーセントも売り上げがダウンしているところもあると言う。
2012年の民間移政後はいわゆる「ミャンマードリーム」を夢みて、最大都市ヤンゴンでは外国人経営の飲食店が次々オープンしている。
しかしミャンマーが注目を集めると同時に、土地の値段が高騰し、店舗の家賃が一年後には2倍の値段に上がることも少なくない。一般のミャンマーの人が利用するレストラでは一食1ドルから3ドルで済むところ、外国人経営の飲食店では1食が10ドル以上と高額な店舗が多く、その様な高級店を利用できる富裕層のミャンマー人と外国人の数に対して、レストランは供給過多な状態が続いている。
情報筋によると売り上げが順調な飲食店は、ほんの一握りに過ぎないという。今回の営業時間の規制は厳しい状況にある飲食業界に、さらに大きな影を落とす結果となり、規制から5カ月が経過した現在、店を畳んで撤退する飲食店が後を絶たない。
【執筆 : 竹永ケイシロ】
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