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【タイ】旅の始まりはホアランポーン国鉄中央駅から

Global News Asia / 2015年11月2日 17時0分

2011年のホアランポーン駅。現在は地下鉄延長工事などで周辺は大工事中である。(高田胤臣 撮影)

 2015年11月2日、タイ国内を鉄道で旅したい人が集う国鉄ホアランポーン駅を紹介する。

 ホアランポーン駅はタイ国鉄と地下鉄のふたつの駅があるが、一般的にホアランポーンというと国鉄駅を指し、地下鉄はMRTホアランポーンと呼ぶことが多い。しかし、国鉄のホアランポーンは通称で、本来はグルンテープ駅となっている。そのため、時刻表などではタイ語表記でグルンテープ、英語ではバンコクとなっている。

 この国鉄のホアランポーン駅は歴史が長く、1897年3月に開業している。当時は現在の場所よりもやや北にあったが、1916年に現在の場所に移転した。第2次世界大戦時はタイは日本と同盟にあり、そのため連合国軍がホアランポーン駅舎を爆撃しようとしたこともある。しかし、その爆撃は失敗し、近隣のホテルが被害に遭った。

 現在のホアランポーン駅はタイの全地方への列車が集まる。外国人旅行者や上京・帰省するタイ人地方出身者で1日あたり6万人以上が利用しているという。特に地方行きの3等列車の中には低所得者のための無料列車も走っており、深夜は出発待ちのタイ人が野宿をする姿も見られる。

 タイ国鉄は単線が多いこともあり、特に雨季などは通行できなかったり、遅延も多い。そのため、時間的に余裕がない場合は旅行者に向いていない。また、低価格の航空会社が台頭するようになった現在、料金的なメリットも薄れている。

 それでも、寝台列車など旅情を楽しめることや、日本で使われなくなった車両が売却されタイでいまだに活躍しているなど、見所はたくさんある。

 以前はホアランポーン駅構内にガイドと名乗り、詐欺的にチケットを販売する旅行社が多かったが、現在は構内の目立つ場所にチケット窓口ができたので、外国人でも安心してチケット購入や予約ができるようになった。

 時間に余裕があれば、日本とはまたひと味違った列車の旅をオススメしたい。

【執筆 : 高田胤臣】

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