【タイ】東南アジア独自の古代文明でユネスコの世界遺産に登録された「バーンチエン遺跡」
Global News Asia / 2015年11月3日 11時0分
2015年11月3日、タイ東北地方のウドンタニー県にある世界遺産を紹介する。東南アジア独自の古代文明と注目され、ユネスコの世界遺産に1992年に登録された「バーンチエン遺跡」だ。
タイの有史以前、紀元前3000年~2000年に栄えていたと見られている。ここには発掘されたものなどを展示する「バーンチエン国立博物館」がある。この遺跡では土器を中心に動物の骨などが発見されており、黄河文明やメソポタミア文明とは違った文明として注目される。
1960年までは露出した遺跡から出土していた土器を近隣の村人が日用品として使っていて、誰も考古学的な価値があることを知らない状態だった。土器には幾何学模様が施されていたことなどから、1960年になって地元の学校の教師たちが発掘物を収集し、同年にタイ文部省が正式に発掘を始めた。
その後、この遺跡の重要性がさらにわかってきたことから、1972年3月20日にタイの現国王プミポン国王陛下とシリキット女王陛下が当時の発掘作業現場を訪問し、バーンチエンでの発掘物はバンコクではなく現地で展示するべきとお話しになったことから「バーンチエン国立博物館」が設立された。そのためか、地方の博物館にしてはかなり整った施設になっている。
展示物は出土した土器や生活品、人骨、それらから予測される生活の様子で構成される。今から5000年も前にこの地に人々が暮らし、狩猟や農耕を行い、土器などを作っていたことがわかっているのだが、バーンチエンの文明にいた民族は今のところわかっていない。
「バーンチエン国立博物館」から徒歩10分程度の距離にあるポーシーナイ寺には発掘現場が保存されている。ここでは日本語の解説ビデオを観せてもらうことができる。
「バーンチエン国立博物館」は朝9時~夕方4時までで月曜が休館日。ポーシーナイ寺は夕方18時までで無休。共に入場料が必要でタイ人30バーツ、外国人150バーツとなっている。
【執筆 : 高田胤臣】
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