【タイ】障がい者の自立を支援ー在タイ日本大使館

Global News Asia / 2015年12月14日 19時34分

バンコクのAPCDアジア太平洋障害者センター財団での、引き渡し式の様子、シリントン王女・左。(在タイ日本大使館 提供)

 2015年12月11日、在タイ日本国大使館は、草の根・人間の安全保障無償資金協力として「障がい者・就労移行支援事業所兼販売所整備計画」の費用、約200万タイバーツ(約670万円)の支援を行った。

 バンコクのAPCDアジア太平洋障害者センター財団で、この計画の引き渡しと「シリントン王女ご生誕60周年記念プロジェクト」イベントが行われ、シリントン王女、APCDのタニン・クライヴィシエン会長、タイヤマザキの齋藤一郎社長、福島秀夫次席公使(在タイ日本大使館)らが出席した。

 タイ国統計局の2012年のデータによると、タイでは15歳以上の障がい者数は約143万人。障がい者に対しての教育や訓練を行う施設はまだ少なく、また障がい者の雇用機会も限定的なため、障がいのある就業者は約37万人程度にとどまっている。

 こうした中、タイ政府と日本政府が設立したAPCDは、2009年にシリントン王女が後援する王室財団になり、アジア太平洋地域で、障がい者団体のエンパワメントなどを通じて、全ての人に優しいバリアフリー社会の実現を目指してきた。今までに約2,400人以上の障がい者にトレーニングやワークショップを実施してきたが、適切な訓練を提供できる十分なスペースや車両が確保できていないことが長らく課題となっていた。

 この計画では、APCDの敷地内に、障がい者を対象とした就労移行支援事業所兼販売所と移動販売車を整備することで、いろいろなタイプの障がい者に実務訓練を含む職業訓練を行なうことができるようになる。なお、この活動は、APCDによるシリントン王女ご生誕60周年記念プロジェクトの一環に位置付けられている。

 タイヤマザキ(山崎製パンのタイ現地法人)から、パン製造や販売の指導、経営アドバイスなどの指導を受けることで、就業・自立支援の効果を高めることが期待される。

 東洋大学 志村 健一 教授は「日本でも障がいのある方々がパンの製造、販売を通じて就労したり、就労継続の仕事としてパンの製造・販売が選ばれたりしています。そのような実績が拡大することを期待しています」と話す。東京都・文京区では、障がい者自立支援協議会を設置し、その中の、障がい者当事者部会で、障がい者の声を自立支援に役立てようとの取り組みが行われているが、全国的には稀な先進事例だ。

 日本でも障がい者への支援は、なかなか進んでいないが、タイをはじめとするASEAN各国では、障がい者への支援は、さらに優先度が低く後回しになっている国が多い。
【編集 : 高橋健二】

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