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【タイ】ニューヨークタイムズ紙4度目の記事削除と強まる不敬罪圧力

Global News Asia / 2015年12月15日 19時0分

今月3日に封切られた国王陛下の愛犬トンデーンが主人公となっているアニメ映画の公開ポスター

 2015年12月15日、フェイスブックで国王陛下の愛犬を中傷したとして、タイ人男性を逮捕した。また、その記事を掲載したニューヨークタイムズ紙のタイ印刷版がまたしても空欄のまま発行され、地元紙のニュースサイトでも自主的に記事が削除された。

 タイの不敬罪は、国王陛下、王妃、皇太子と摂政に関して、その不敬を問うとしているが、今回の対象は国王陛下の愛犬だった。逮捕された男性は最大37年の刑罰となる可能性があるという。

 さらに軍関係者は、逮捕した男性の実家での捜索時に、母親へも高圧的な詰問を行ったとされ、一部報道に母親のコメントが掲載された。

 「わたしたちは、王室を尊敬していますし、政治には興味ありません。誰が首相になったとしても、わたしたちは貧乏なままです。」

 国王陛下の愛犬トンデーンは、陛下が訪問先でノラ犬だったのを王宮に持ち帰り、その後の公務の際も側にいるところが報道され、国民にも人気だった。また、トンデーンを綴った著書は日本語にも翻訳されたほどで今月初頭にはアニメ映画の主人公としてさらに人気を呼んでいる。

 また、ニューヨークタイムズ紙は、タイ人男性逮捕の記事を掲載しようとしたところ、前回12月1日と4日に続いて、印刷所の自主判断で掲載をしなかった。ニューヨークタイムズ紙の記事が空欄のまま発行されたのはこれで4度目。

 さらにタイ地元紙のサイトに掲載された同様の記事も、自主的に削除されるなど、軍政による不敬罪の適応拡大に戦々恐々といった雰囲気が漂っている。軍政は、現在もネット上での監視を続けており、投稿した他に、いいねをクリックするだけでも適応される可能性があるという。

 こうした動きに軍政や裁判所は、不敬罪の具体的な適応範囲を明示しておらず、どこまでが許されるのか、タイ在住の外国人ブロガーたちの間では、十分な注意が必要だとの呼びかけが行われている。
【翻訳/編集 : RD】

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