【ミャンマー】子どもたちの未来のために、学校教育支援(4)
Global News Asia / 2015年12月17日 10時0分
2015年12月18日、新校舎引渡式典に参加。
地域住民とNGOセダナーの2人3脚で建設した校舎の完成は、地域をあげて祝われる。2015年10月8日、シャン州の州都タウンジーから車で1時間半、レー・ドゥー村の新校舎引渡式典に参加した。126世帯756人のレー・ドゥー村は、ダヌー族50%、ビルマ族40%、パオ族10%の3つの少数民族で構成されている。色とりどりの民族衣装に身を包んだ住民・生徒が整列して、式典参加者を歓迎してくれた。打楽器の演奏と校庭に飾られたカラフルな旗や風船からも、新校舎完成に対する地域の喜びが伝わってくるようだ。
式典は、校庭でのテープカットと植樹から始まる。新校舎をバックに記念撮影も欠かせない。関係者集合写真の後に、村で10数台しかない携帯電話を使い、参加者が思い思いにグループ写真や個人の記念撮影を行う。この時、「外国人」はちょっとした芸能人気分になること間違いない。同じ州でも街の人はめったに訪れないレー・ドゥー村では、外国人を初めて見る住民も少なくないとのこと。「日本人なんて見たことないから記念に」と、ひっきりなしに携帯電話で撮影された。大勢の人たちに囲まれて握手や記念撮影を求められるなど、日本では経験したことのない出来事に、恥ずかしさでいっぱいになってしまった。
記念写真の大騒ぎが一段落すると、地域住民およびレー・ドゥー中学校分校の教員・生徒200名に加え、国境地域の開発を担う国境省職員や、地区の教育事務所長、セダナーの職員が参加する式典第2部が始まった。生徒たちによる「ミャンマーの学校」という歌の合唱、パオ族の伝統舞踊披露に続き、国境省職員のニュン・ウィンさんの挨拶では「政府も教育予算を増やしていますが、なかなかニーズに追いつかないので、地域住民とセダナーの皆さまと、ご支援頂いた日本の皆さまにとても感謝しています」と述べられた。そして、村の「学校建設委員会」メンバーから地区の教育事務所への建設証明書が授与される。村の住民が一丸となって建設した新校舎が、教育省に正式に引き渡される瞬間だ。
今回、完成したレー・ドゥー中学校分校の新校舎は、中学生各学年の4教室と図書室として使用される。「学校建設委員会」のチョー・ウィン・レインさんは、「5カ月という短い建設期間で終了したのは、建設に携わった人々が、休まず頑張って作業をしたからです」と振り返る。約480万円の学校建設費用のうち、村の人々の貢献は約100万円に相当。1人あたりの平均年収が約15万円の村で、建設に携わった住民が1人5,000~10,000円分の貢献をしたことになる。式典では、労賃に換算された金額がセダナーから「学校建設委員会」改め「地域開発委員会」に手渡され、この資金を元に、今後学校運営費用を捻出する地域の開発事業が運営される。
式典の最後に、「今後、継続して行う開発事業も、この校舎建設の時と同じように地域のみんなで協力し、成功させることをお約束いたします」と、チョー・ウィン・レインさんが誓った。
【執筆 : 日本財団 田中麻里】
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