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【ミャンマー】「音楽で世界を仲良く」ミャンマー国立交響楽団の日本人指揮者山本祐ノ介氏

Global News Asia / 2016年1月19日 9時0分

オーケストラの技術指導に当たる山本祐ノ介氏(竹永ケイシロ 撮影)

 2016年1月19日、ミャンマー最大都市ヤンゴンのインターナショナルホテルにて1月13日、地元メディアも多数出席する中、今年1月に行われる「MYANMAR NATIONAL SYMPHONY ORCHESTRA CONCERT 2016」についての記者会見が行われた。

 「ミャンマー国立交響楽団」とは、2001年に設立されたミャンマー唯一の国立オーケストラであり、ミャンマー国営放送(MRTV)に所属する楽団である。今回、この交響楽団の指揮を務める、山本祐ノ介氏はクラシック音楽の普及、大衆化に大きく貢献した山本直純氏の二男であり、東京交響楽団の首席チェロ奏者などを経て、現在はソロチェリスト、指揮者として活動されている。父、山本直純氏が音楽を手掛けた映画「ビルマの竪琴」に自身もチェリストとして参加していたことからミャンマーに縁を感じ、奥様でピアニストの小山京子さんと共に2013年より定期的にオーケストラの技術指導に当たられている。

 一昨年、1年間のワークショップの後、2014年12月にヤンゴンで開催されたコンサートはオーケストラの奏者全員がミャンマー人のみでクラシックを演奏するという事と、その指揮を日本人が務めるという事で話題を呼んだ。

 しかしコンサートと言えば「ロック」や「ヒップホップ」が一般的なミャンマーで、「クラシックコンサート」という馴染みのないイベントに、オーケストラ団員のみならず、聴衆も緊張した面持ちでコンサートがスタートしたが、自国のオーケストラが見事にモーツァルトやベートーベンを演奏するにつれ同胞の奮闘ぶりに称賛と誇りで会場の雰囲気はみるまに温かく盛り上がった。

 後半に入り、オーケストラがミャンマーの伝統音楽「シュエオー」を演奏し始めると、驚きと喜びの声が上がり、こらえきれずに小さく歌詞を口ずさみ始めた客席を、指揮棒を振る山本祐ノ介氏が促すと、オーケストラの奏でる音に合わせて、高らかな手拍子と誇らしげに歌う声が会場を満たした。
「お互いの言葉は出来なくとも、音楽は国境を超える」との山本氏の言葉通り、オーケストラの音楽で、会場にいた全ての国の人々が感動と喜びを共有した瞬間であった。

 その感動のコンサートが今年は1月22日ヤンゴン市ナショナルシアターで、1月25日は首都ネピドーのMICC2にて開催される。(いずれも18:00開場)

 今回の記者会見では「日本の協力により、ミャンマーで格式のあるクラシックコンサートを無料で聞くことが出来る貴重な機会を得られた」と、国営放送音楽部門のディレクターDr.トウ・チョウ氏が謝辞を述べ、また樋口建史特命全権大使は、「2015年度は国際交流基金の助成により、日本人の楽器奏者が定期的にヤンゴン市でワークショップを行ったことにより、同じ楽器奏者から技術指導を受けられるという貴重な体験を得られ、かなりの成果が得られたのではないかと思う」と語った。

 今年は日本から世界的に有名なジャスピアニスト山下洋輔氏を招いて、ミャンマーの伝統的な太鼓との即興セッションを行うなど、魅惑のプログラムが多数用意されており、「クラシックだけではなく、ジャズ、映画音楽、ミャンマーの音楽など、幅広いジャンルで客席を魅了したい」とピアニストの小山京子さんはメディアにアピールした。山本祐ノ介氏の指揮の元、日本からの奏者と65人の団員が一丸となって演奏する贅沢なコンサートが、今年はどのような奇跡と感動を呼ぶのか期待が高まる。 

【執筆 : 竹永ケイシロ】

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