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【タイ】暑い中で食べる鍋料理「タイスキ」

Global News Asia / 2016年1月23日 11時0分

「ルアンペット」のタイスキはほかとは違い生卵や特製味噌を肉や海鮮に和えたのちに鍋に投入する。そのため、好き嫌いがはっきり分かれる。(高田胤臣 撮影)

 2016年1月23日、タイは常夏の国でありながら鍋料理がある。その代表はタイスキである。

 タイスキの「スキ」は日本のすき焼きの「すき」であると言われ、実際タイ人もタイスキは日本料理のひとつだと思っている人が多い。恐らくしゃぶしゃぶとすき焼きを取り違えた結果だが、そもそものルーツは日本料理ではなく中国の火鍋にあり、それがタイ的にアレンジされたものである。

 タイ人が最も好むタイスキの店は「MK(エムケー)・レストラン」だ。日本は福岡を中心に出店しており、タイではひとつの商業施設に最低1店舗はあるほどの人気になっている。

 東京に店がいくつかあり、日本人にもタイスキの老舗として知られるのは「コカ・レストラン」。タイでは外国人観光客に人気で、タイ人からはあまり支持されていないが、1957年に広東料理店として創業し、タイで初めて全室エアコンを導入したという当時のレストランのやり方を変えた店として知られる。それまではエアコンつきのVIPルームを備えた店はあったが有料であった。コカは特別料金を徴収しない初めてのレストランとなった。

 中華系タイ人に特に人気を博しているのが「ルアンペット」で、バンコクに1店舗、隣県のサムットプラカンに1店舗ある。タイ人によってはここが初めてタイスキを出した店だと言う者もいるが、その点は明確にはわかっていない。この店も中華料理店の色が強く、コカ同様に火鍋が人気になったのが有名店になったきっかけだとされる。バンコクの場所はペッブリー通りにある。

 タイ人がタイスキの店をおいしいかそうでないか判断する基準はタレの味にある。ルアンペットは肉に生卵や特製味噌を和えるのでほかとはスタイルが違うが、コカとMKでは見た目はほとんど同じでありながら決定的に人気に差が出ているのはタレが理由だとされる。

 ほかにも中華街に「テキサス」があったり、東北地方料理店では田舎式のタイスキであるチムチュムがあるので、汗をかきながらぜひ試していただきたい。
【執筆 : 高田胤臣】

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