【タイ】厳しい言論統制で中国人の元記者が失踪ー中国当局が拉致し送還か

中国地方都市駅前の警察車両(資料写真・2015年7月撮影)

　2016年1月27日、複数のアメリカメディアは、中国で人権活動を行い、メディアでの職を追われ、逮捕を恐れ海外に避難し、政治亡命を希望していた元中国メディア記者が、タイで失踪したと伝えた。

　失踪した元記者は「南方都市報」のWEBサイトで取材活動を行っていた李新氏(37)。中国国家安全局の指示で拉致され、中国に強制送還された可能性が高いと見られている。

　2015年10月にインドで、中国国家安全局に「スパイ行為を強要された」ことがあったと中国の恥部を公表していた。インド政府に政治亡命を申請したが受け入れられなかった。

　タイ北部からラオス行きの列車に乗った1月10日ごろから、連絡が取れなくなった。

　タイではこれまでにも、香港の「銅鑼湾書店」関係者が失踪。中国に拉致され連行されたと見られており、タイ政府が中国政府に協力しているのではないかとの声もある。

　厳しい言論統制の犠牲になり失踪した元記者・李新氏は、インドでの亡命失敗後は、欧米への政治亡命を希望していた。
【編集 : DP】