中国に騙された! ずさんすぎる高速鉄道計画に大きな後悔ーインドネシア
Global News Asia / 2016年1月31日 22時17分
2016年1月31日、インドネシアの高速鉄道の工事が未だに着工しない。建設許可はクリアされていないものの、21日にはジョコ大統領や中国の国務委員らが出席しての起工式が行われたことから、建設許可の見通しがあり、一両日中に許可が出ると見られていたが、とんだ誤算の起工式になってしまった。
地元メディアによると、中国から提出されていない必要書類が多く、また一部提出された書類は、中国語だけの記載がほとんどで、インドネシア語や英語ではないため、審査担当者は読むことも出来ず審査が進まない。許可を出した区間はわずか5Kmだけ。中国は高速鉄道を建設する意欲が、中国の国内問題を背景に下がっており、中止に持ち込みたいのではないかと疑心暗鬼になっている関係者もいる。
スタート前からこれほどトラブルの連続になるとはインドネシア政府の関係者も思っていなかったようで、期待を裏切られ騙されたのではないかと、後悔する声が強まっている。
また、現政権の面子を保つために無理を押して起工式に漕ぎ着けた格好だったが、1月中に着工出来なかったことで、インドネシア国内でも不安を口にする見識者が増加。
2019年開業予定で、昨年9月にインドネシア政府が中国に発注を決めたジャカルタ―バンドン間・約140Kmの高速鉄道が当初計画通りに開業する可能性は、限りなく低い。インドネシア国土交通省は、中国政府に対して「工事期間中にトラブルが生じてもインドネシア政府は一切責任は持てないので、中国政府の保証が必須だ」と伝え、「工事が完成できなかった場合、中国が原状回復の責任を持つ」と契約書に追加してほしいと迫った。フィリピン・マニラ郊外での鉄道建設(南北通勤鉄道計画)を中国が途中で投げ出し撤退、その後日本のODAで工事を続行することになったことも、影響しているようだ。
当初は、日本の新幹線方式の導入が有力だったが、中国は破格の条件で受注競争に勝利した。
2015年8月にインドネシア政府に提出した中国の提案書には、日本の提案書を元に作成されたと思われる痕跡があった。日本は、ボーリング調査を行なうなどして地質調査や需要の予測などを数年かけてまとめて、途中駅の入ったルート図を含む提案書をインドネシア政府に提出していたが、中国が提出した提案書にも同じデータが入っていた。またルート上の地点で中国がボーリング調査を行なったことは無く、日本の提案情報が何らしかのルートで中国に流れていたのではないかと見られていた。
中国の海外での鉄道建設についてのトラブルは、比較的多いと言われており、提出資料の完成度がずさんだったり、金利や建設費用の負担額が当初の予定より増えることもある。なかなか信頼関係を構築するのは難しい。
【編集 : kyo】
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
リニア大阪延伸で静岡の次の火種は古都バトル 貫くか奈良ルート、世界の京都と続く綱引き
産経ニュース / 2024年5月5日 16時45分
-
「2027年の開業を断念」遅々として進まないリニア問題。静岡県知事だけではない「責任の所在」
日刊SPA! / 2024年4月23日 8時51分
-
【1959(昭和34)年4月20日】夢の超特急・新幹線工事がスタート
トウシル / 2024年4月20日 7時30分
-
【リニア中央新幹線】奈良・三重では駅やルートの調査動き「リニア来てほしい」鉄道アナリストは「東海道新幹線は限界...第2ルートに」静岡・川勝知事が辞表提出で...早期開業に期待の声
MBSニュース / 2024年4月10日 17時31分
-
「中国に学べ」ベトナムが初の高速鉄道建設に意欲―シンガポールメディア
Record China / 2024年4月9日 8時0分
ランキング
-
1ロシア、ウクライナのエネルギー施設に大規模攻撃 被害深刻
ロイター / 2024年5月8日 18時32分
-
2NATOの中国大使館爆撃から25年、習主席「悲劇を繰り返してはならない」
AFPBB News / 2024年5月8日 15時14分
-
3英、ロシア武官を国外退去へ スパイ行為理由に
共同通信 / 2024年5月8日 23時29分
-
4中国がカナダの選挙に執拗に介入、情報機関が警告
ロイター / 2024年5月8日 12時59分
-
5ラファ検問所閉鎖で飢餓が深刻化か、支援物資の供給滞る恐れ…戦闘休止の交渉を優位に運ぶ狙いか
読売新聞 / 2024年5月8日 23時3分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください