【ラオス】中国資本による本格複合商業施設ビエンチャンセンターに行って見た
Global News Asia / 2016年2月17日 11時0分
2016年2月17日、ラオス初の本格複合商業施設ビエンチャンセンターが昨年3月にオープンした。最上階には、昨年8月からタイのシネマチェーン映画館もできた。オープンから間もなく1年。今はどうなっているのだろうか。
これまでラオスにはデパートと呼ぶべき大型の商業施設がなかった。しかし、昨年完成したビエンチャンセンターがその歴史に終止符を打った。ビエンチャンセンターは4階建て。1階はショッピングセンターと化粧品売り場。2階3階に家電品やスポーツ用品などの売り場。そして、4階に5つのスクリーンを持つメジャーシネマがある。
メジャーシネマは、タイ全土にシネマコンプレックスをチェーン展開しているが、初めての国外展開がこのビエンチャンとなった。ラオスには映画館が全くなかったわけではない。ビエンチャン市内に国際展示場、LAO ITECC内にボーリング場などと併設されて映画館がある。また、閉鎖されて数十年経つであろう建物も残っている。しかし、ほとんどの場合テレビやビデオがラオス人にとっての映画だった。
このビエンチャンショッピングセンターは、そんなラオス人に封切り映画を提供する2つ目の場となる。とはいえ、訪れた日は平日の昼間だったせいか、映画館はもとより、センター全体の客数はどうみてもまばら。土日や祝日にどれほどの多くの人が来ても、収支としては厳しそうな様子が伺える。
すぐ近くには観光名所にもなっているタラート・サーオがある。近年2つ目の近代的なビルが完成し、こちらも当初はテナントが集まらなかったり、タイのショッピングセンターの誘致に失敗したりと苦戦を強いられていたが、今では2階まで7割型テナントも入居し、客も平日だった割には入っていた。こちらは、ビルこそ近代的なものだが、アジア特有のごちゃごちゃ感はそのままだ。ビエンチャンセンターのような高級路線を売り物するのとは真逆と言っていいだろう。
ビエンチャンだけでなく、ラオスではこの数年外国企業の進出やアセアン経済統合の影響で、土地が値上がりし続けている。その土地を切り売りしてにわか長者になるラオス人が少なくない。こうした層は、身なりこそハイソだが、行動は以前とさほど変わらない。そして、買い物は陸続きのタイへ車で行っている。
都市のインフラ整備とは違い、比較的遅れていないネット事情もあって、ラオスも最早ネットの時代になっている。そして、封切り後数日後には市場に海賊版DVDが並ぶ。それでもここに来たいと思わせるには、さらなる工夫や企画力が必要に見える。単にハードだけキレイに揃えても、魅了的なソフトがなければ人は集まらない。それは、ここラオスでも同じようだ。
【取材/撮影 : そむちゃい吉田】
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