【ミャンマー】子どもたちの未来のために、学校教育支援(10)
Global News Asia / 2016年3月11日 10時0分
2015年度にはモデル農家10名を選び、SRI稲作も実践。各農家の水田0.5エーカーにて、SRI稲作が実践された。セダナーからは、農業指導に加え、モデル農家1人当たり堆肥代や農機具代約8,700円を支援している。
モデル農家の1人、フォー・ナンさんは、「最初は、種をまいてから10日後の苗床を植えるなんて絶対に成功しないと思っていたけど、今ではこの農法が効果的なことを実感している」と語る。モデル農家での収穫量増加を見て、SRI稲作を希望する農家も出てきた。
フォー・ナンさんは稲作の他にトウガラシを栽培している。こちらは栽培を始める際に、セダナーの研修会で学んだバナナを発酵させたボカシ堆肥を使用することで、4ヶ月で約12万円の収入を得ることができた。これは村の平均年収に相当する。「同じ畑で、1年に3回違う作物を作れるので、次回はカリフラワー栽培を予定しています」と嬉しそうに今後の計画を教えてくれた。
2年目以降の経費は自己負担となるが、今年始めたモデル農家10名は、いずれもSRI稲作の効果を実感している。「少なくとも今後3年は確実に続ける」と決意を口々にした。
村の教育を支えるのは村の人々だ。地域の収入が増加すれば、それだけ教育への投資も増える。360人が通うコンニュン中学校分校では、農業事業の収益と村の資金で補助教員を雇用している。校舎の簡単な修繕や教員への食糧補助もこの地域開発事業の収益を活用している。農業の発展が、教育の発展につながっている。
(※1)各地域の山や田畑に生息する微生物を堆肥として活用することで、土中の微量元素を調整したり、植物の肥料吸収を高めたり、病原菌を撃退する働きがあると言われている。
(※2)土に鶏糞、油粕、米ぬか、魚粕、燻炭などの有機物、過リン酸石灰などの肥料を積み重ねて発酵させた肥料のこと。
【執筆 : 日本財団 田中麻里】
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