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【ミャンマー】子どもたちの未来のために、学校教育支援(11)

Global News Asia / 2016年3月25日 10時0分

 この奨学金の特徴は、教職員有志と地元の任意団体の寄付で基金を積立てている点にある。2014年、2015年はセダナーが全額奨学金を支援しているが、2016年からは、段階的にセダナーの支援額を減らして、積立基金からの奨学金支給額を増やしていく。2018年には、完全に寄付だけで奨学基金を継続的に運営していく計画だ。2014年10月末より各自毎月約50円の寄付が始まり、現在は1,148人の教職員が寄付による奨学基金積立に参加。50円は、朝食でよく食べられる「モヒンガー」(なまず出汁の緬料理)一杯分の値段。平均月収約15,000円~19,000円の教員にとっては、毎月「朝ごはん1食分程度」の寄付となるため、無理なく継続できる仕組みだ。2016年3月までに、約106万円が積み立てられた。

 2014年に10年生で「ペッコン郡高校奨学金」を受給したプイン・ピュー・カインさん(16歳)は、現在、タウンジー教員養成大学に通っている。両親は日雇い労働をしているため収入が安定せず、ずっと貧しい生活を送ってきた。大好きな勉強を続けることを諦めかけていた時、通っていた高校が「ペッコン郡高校奨学金」の対象校となり、奨学金第1期生となった。奨学生としての1年間は、それまで以上に勉強に明け暮れた。その結果、ミャンマーでは「人生が決まる」と言われる程重視されている高校卒業試験を優秀な成績で突破。希望していたタウンジー教員養成大学に入学できた。この教員養成大学は公立で、学費は無料、寮・食事つきで、さらに月約1,500円の生活費まで支給されているそうだ。

 「早く教員として働き、両親を助けたい」と、プイン・ピュー・カインさん。そして、「私は、この奨学金によって人生を前向きに考えることができました。私と同じ境遇の子どもたちが、人生を変えるきっかけとなるのがこの奨学金制度です。教員になったら、この奨学基金に毎月寄付することを約束します」と強い決意を語ってくれた。

 生徒の教育環境を少しでもよくしたいという想いをもった多くの教職員と優秀で志の高い奨学金卒業生が、ペッコン郡の教育レベル向上に貢献していくのだろう。
【執筆 : 日本財団 田中麻里】


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