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【タイ】タクシー運賃はタイ正月後に値上げか?

Global News Asia / 2016年3月28日 9時0分

メーター不使用の運賃を提示されたホテル(撮影:RD)

 2016年3月28日、タイ政府は現在、昨年から懸案とされているタクシー運賃の値上げについて、タイ正月後に値上げする方向で検討している。しかし、値上げの条件とされていた運転手のマナー向上やクレームなどには改善が見られず、今回も見送られる可能性もある。その中で、ホテルぐるみでメーター不使用の実態もあり、バンコクのタクシーを巡る問題解決には、まだまだ時間がかかりそうだ。

 タイ運輸相は、タクシーについてのクレームは、観光客のみならずバンコク都民からも多数寄せられている事を認め、解決策の一環として運転手の待遇改善のため、運賃を二段階に分けて値上げすることを了承し、一回目はすでに実施されていた。

 しかし、2段回目の値上げにはクレームの減少など運転手の質の向上を条件としたものの、現在までに改善されたとは言い難い状態が続いている。つい先ごろも、言葉がわからないとフィリピンからの観光客を高速道路上で下車させて放置した運転手が処罰される事件もあった。

 また乗車拒否やメーター不使用には1000バーツの罰金や乗務停止などが科されるが、一向に減る気配はない。中には、ホテルぐるみでメーター不使用での料金設定を行っているところもある。

 日本向けに衣料品を輸出販売しているオズコレクション(北海道札幌市本社)によると、バンコク都心の衣料品市場であり、観光客も多く集まるプラトゥナムでの仕入れを終えて、とあるホテル前の乗り場からタクシーに乗ろうとしたところ、通常メーターでは120~130バーツ(約400円)の距離に対して、目的地までは300バーツ(約1000円)だとホテルの係員から伝えられた。

 このため仕方なく、大通りまで出て他のタクシーに乗車。その運転手に確認したところ、そのホテルでは、待機スペースとしてホテルの駐車場を提供しているが、最近ホテル管理会社が変わってから、駐車料金60バーツ(約200円)を徴収するようになった。そのため、その分を上乗せした料金を乗客に提示しているとの事だったと憤慨した様子で話してくれた。

 タイでは日本同様にメーターでの運行が義務付けられており、違反すれば1000バーツの罰金が科されている。唯一30キロメートル以上の長距離に関しては、交渉制が認められている。バンコク都心からスワンナプーム空港が約30キロメートルなので、交渉となっても致し方が無いのだが、多くの良心的な運転手は、ちゃんとメーターを使う。移動には時間の余裕を持って、メーターを使うタクシーを利用して欲しい。観光客自身も、自国と比べて安いからとメーター不使用を受け入れ利用を続けてしまうと、この問題が無くなることはないだろう。
【取材/執筆 : RD】

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