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【カンボジア】農村出身の少女達が一流セラピストに、シェムリアップの隠れ家スパ「スパクメール」が人気

Global News Asia / 2016年3月29日 11時47分

左・上原弥生さん、右、篠田ちひろさん(スパクメールの庭園)

 2016年3月29日、「ここはカンボジアのオアシスですね」「本当に至福の時間でした」と、訪れた女性客たちは、満たされた表情を浮かべ帰っていく。

 シェムリアップのオールドマーケットからトゥクトゥクで5分。閑静な住宅街の一角にある隠れ家スパ、「spa khmer(スパクメール)」。トリップアドバイザーでもエリアトップの人気を誇る。

 オーナーは篠田ちひろさん。農村開発と女性支援をミッションに掲げ、24歳でカンボジアに単身移住。2009年にクメール伝統医療にもとづくホームスパ製品を生産、販売する「kru khmer(クルクメール)」を創設。女性起業家として注目を集めた。現地の有機栽培原料を使用した石鹸など、丁寧に作られた商品が日本や海外の観光客からの支持を受け、シェムリアップに直営店を二店舗構える。

 そんな彼女が2015年4月にオープンさせたのが念願のスパだ。店内に足を踏み入れた途端、どこの国にいるのか忘れるような非日常的な空間が広がる。内装も接客も、セラピストの技術も一流だ。

 だがセラピストたちは最初から一流だったわけではない。現在6名在籍しているカンボジア人のセラピストは全員、農村部の小さな村で生まれ育った少女たち。採用された当時、「泥だらけだった」と言っても過言ではない少女たちを育成し、一流のセラピストに変身させたトレーナーは上原弥生さんだ。

 美容専門学校で学んだ後、化粧品メーカーで美容インストラクター兼スパトレーナーとしての実績を7年積んだ。海外でスパを立ち上げることが一つの夢だった。仕事を辞めることが決まり、アンコールワットへの旅行を考えていた時、インターネットで篠田さんが出していた「スパ立ち上げ&トレーナー募集」の記事を見つけ、迷わず応募した。

 農村部からやってきたセラピスト候補の10代の少女たちは、想像していたよりシャイだった。目を見て挨拶できない子もいた。言葉や文化の壁以上に、彼女たちの中にある社会に出て仕事をすることへの抵抗感、外国人と接することへの抵抗感を取り除くところからのスタートだった。

 上原さんの熱心な指導で、少女たちは接客のために自身にメイクを施すことも覚え、マッサージ技術を修得していった。

 オープン前の立ち上げから携わっているスタッフ、ソポールさんは、現在では自ら五つ星ホテルのメイクや髪型の研究に励むようにもなった。

「すべてのお客様に100%の満足を」と、スパクメールのスタッフたちは日々トレーニングを重ね技術を磨いていく。
【編集 : SK】

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