【インド】政策金利を0.25％引き下げ6.50％にーHSBC投信

ガンジス河。

　2015年4月5日、インド準備銀行(中央銀行)は、政策金利を0.25％引き下げ6.50％にすることを決定した。背景は、政府が2016年度予算案で示した財政赤字削減計画とインフレ率の低下。HSBC投信は、インドの株式市場、債券市場について、引き続き強気の見方をしている。

　HSBC投信は、市場の予想通り利下げを決定、市場へのインパクトは限定的と見ている。利下げは昨年9月29日以来、約6カ月振り。ラジャン中央銀行総裁は会合後の声明で「金融緩和スタンスを継続する」と述べ、「モンスーン期(6～9月)の降雨状況を注視し、さらなる緩和余地を探る」としている。

　利下げが予想通りであったことから市場の反応は鈍く、5日の株式市場ではSENSEX指数が前日比-1.0％、債券市場では10年物国債利回りは横ばい、通貨ルピーは対米ドルで0.2％下落しています(日本時間午後3時半現在)。

　背景に政府の財政赤字削減計画とインフレ率の低下。今回の利下げの背景には、政府の財政赤字削減計画がある。2月29日に発表された2016年度(2016年4月-2017年3月)予算案では、財政赤字の対国内総生産(GDP)比の目標値が前年度の3.9％に対し3.5％に設定された。ラジャン総裁は、政府の財政規律を堅持する姿勢を尊重しており、これにより利下げ余地が生まれたものと見られる。

　また、原油安を背景としたインフレ率の低下も利下げを後押ししたものと見られる。直近2月の消費者物価指数(CPI )は前年同月比+5.2％と、1月の+5.7％から低下している。
【編集 : RC】