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【タイ】見せしめか、パフォーマンスか、相次ぐソープの一斉捜査の虚々実々

Global News Asia / 2016年6月15日 15時0分

警察の摘発を受けた店は今後オーナーが代わって営業を再開するとのうわさも。

 2016年6月9日、バンコクとパタヤで、タイではマッサージパーラーと呼ばれるソープランドの捜索が相次いでいる。バンコク都心ラチャダー通りのナタリーが地元ホイクワン署により一斉捜索された結果、15歳の少女を含む未成年者9人が保護され、経営者や従業員ら129人が逮捕された。

 捜索で発見された帳簿類には、捜索を行ったホイクワン署の警察官へ賄賂を渡していた記録も発見され、名前が記載されていた警察官は異動などの処分を科した。しかし、具体的な関与などについての発表はされていない。また女性従業員達が所持していた青色のカードを提示すれば、摘発を見逃すという裏取引も露呈している。女性達はカードを1000バーツ(日本円:約3000円)で購入したという。

 その後、今週になってからもバンコクの複数のソープランドや、タイ東部パタヤでも複数箇所で捜索が行われたが、ナタリーのような未成年者や賄賂を示す帳簿類などは発見されていない。また、ナタリーのオーナーには逮捕状が出され指名手配されているが、未だ逮捕されていない。

 こうした経緯から、ナタリーが何らかの利権絡みで見せしめとして摘発されたとの見方が広がっている。一部報道では、オーナーが交代すれば営業の継続は認められるとの警察の見解を報じていることから、オーナーと警察あるいは、利害関係者との間で何らかのトラブルがあったためのだろうと言われている。

 また、以降に繰り返されている捜索は、摘発が利害絡みではない事を印象つけるためのパフォーマンスとの見方だ。もしパフォーマンスではなかったとしても、最初の摘発を見た各店が一時的に違法な部分を隠したと考えられる。

 摘発の背景には歩道上や空き地での屋台を強制撤収するなど、長引く軍政によって、古くから対立関係にあった警察の利権が奪われ続けていることなどが影響しているとも見られている。
【翻訳/編集 : RD】

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