インドネシア3カ月ぶりに利下げに踏み切るーHSBC投信
Global News Asia / 2016年6月17日 19時29分
2016年6月16日、インドネシア銀行(中央銀行)が、政策金利を3カ月振りに引き下げたことについて、HSBC投信は分析を発表した。
レポートによると「インドネシア銀行(中央銀行)は、16日(木)の月例理事会で政策金利を0.25%引き下げ、6.50%とすることを決定しました。中央銀行は会合後の声明文で、4-6月期の実質国内総生産(GDP)成長率は従来予想を下回る+4.9~5.0%にとどまる見通しであるとし、利下げを通じて「国内景気を下支える」と述べています。但し、2016年通年の実質GDP成長率の見通しは引き続き+5.0~5.4%の予想を維持しています。
また、政策金利の引き下げに加え、中央銀行は各銀行の預金残高に対する最低貸出比率を78%から80%へと引き上げる(今年8月から実施)と同時に、住宅ローンの頭金引き下げなどの緩和策の実施も決定しています。
さらに中央銀行は、インフレ率の低下傾向や経常収支の赤字幅の縮小、対米ドルで比較的安定しているルピア相場などに言及するとともに、今後も必要に応じて一段の金融緩和を行う姿勢を示しています。
なお、中央銀行は7日物リバースレポ金利も5.50%から5.25%へ引き下げることを決定しました(中央銀行は、8月19日付で政策金利を市場の実態により近づけることを目的に、現行の1年物リファレンス金利から7日物リバースレポ金利に切り替えることを4月上旬に発表済み)。
HSBC投信はインドネシア債券市場に引き続き強気のスタンスを堅持。
中央銀行は今後も緩和的な金融政策を継続する姿勢を示しており、これは中長期国債にとって、プラスに働くと考えます。インドネシア債券市場について次の理由から引き続き強気スタンスを維持します。
米国の早期利上げ観測が後退し、日欧の金融緩和継続が見込まれる中、相対的に利回りの高いインドネシア国債には、好利回りを求める投資家からの買い需要が見込めること。
2016年の国債発行計画が前倒して実施されており、今後の需給環境は良好であること。
インフラ整備向けの歳出増などインドネシア政府は積極的に景気下支えに動いており、今後も5%前後の高い経済成長率が期待されること。
中央銀行はルピア相場の安定や経常収支の赤字縮小に引き続き注力していく姿勢を示していること」と伝えている。
【編集 : 高橋大地】
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