【ミャンマー】ヤンゴンで中国系企業が不思議な「ドラえもん」祭り
Global News Asia / 2016年7月6日 11時0分
2016年7月3日、ヤンゴンの高級分譲マンションの販促イベントとして約1ヵ月間、ドラえもんに似た等身大人形80体以上を使った「ドラえもん祭り」が開催された。中国人が経営するシンガポール企業が建設する高級マンション「ゴールデン・シティ」の一角にあるショールームで開かれた。日本のドラえもんとは若干異なる人形もあり、版権を持つ藤子・F・不二雄プロ側との契約があるかどうかは不明だ。
マンション敷地の入り口では、大きなドラえもんの風船人形がお出迎え。看板にはしっかりと「ドラえもん・フェアリーテール・ワールドにようこそ」と書かれ、まるでテーマパークのようだ。会場に入ると、等身大のドラえもん人形がずらっと並ぶ。スタッフに尋ねると、全部で80体以上あるという。ミャンマーの子どもに人気のドラえもんのイベントを開くことで、家族連れの来場を誘う狙いとみられる。
会場を訪れたミャンマー人の若者グループは、スマートフォンを片手に写真撮影に興じていた。一角には、付箋にメッセージが書ける企画も行われ、ミャンマー人ファンらが「I love DORAEMON」などと書き込んだメッセージが残る。会場では、ドラえもんのアニメが流れているうえ、別室でアニメ上映会も行われていた。来場者には、マンションの資料とともにドラえもんグッズを配布するなど、いたれりつくせりのサービスだ。
よくよく見ると、のび太やスネ夫の顔が日本のアニメとは異なることに気付く。頭がへこんでいるドラえもんもあり、日本ではない国で製造された人形であることが推認される。会場の担当者にドラえもんのライセンス契約があるか聞いたこところ、「わからない」と繰り返すばかりだった。
ミャンマーでは、ドラえもんを始め、NARUTOやドラゴンボールなどのアニメがインターネットからコピーされて、広く出回っている。正規のルートで手に入らない現状があるため、こうしたコピーで日本の文化を楽しむミャンマーの若者も多い一方、知的所有権をめぐる法制度が不十分であるとの指摘が強い。この現状を解決するため、ミャンマー政府に対し、日本の特許庁の専門家が知的財産関連法の法整備支援を行っている。
【執筆 : 北角裕樹】
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