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【カンボジア】理工学系学生がJICAの援助現場を視察

Global News Asia / 2016年7月23日 12時0分

国道1号線改修工事の現場で話を聞く学生たち(JICA提供)

 2016年7月21日、JICAカンボジア事務所が発行する「カンボジアの未来を創る 理工学系学生が援助視察ツアー 』と題する記事が掲載された。

(記事)カンボジアの学生たちに、日本の援助の現場を訪れてその内容を知ってもらおうというスタディツアーが6月24日、プノンペンで行われました。今回は、理工学系の分野に関心を寄せる学生に焦点を絞り、国立カンボジア工科大学、工学系の専門学校であるNational Polytechnic Institute of Cambodia (NPIC)などから約35人が参加しました。JICAは、カンボジアの将来を担う人づくりを支援するため、産業人材育成に力を入れています。なかでも理工学系の技術者は高い需要があるにもかかわらず不足しています。今回の視察は、理工 学系の学生に日本のODAの技術面を見てもらうことで、この分野の学生たちに高いモチベーションと使命感を持ってもらおうと企画されました。

 今回訪れたのは、国道1号線改修工事の現場と、プノンペン水道公社のニロート浄水場、プンプレック浄水場です。首都とベトナム国境バベットをつなぐ交通の大動脈である国道1号線は、メコン川にかかる「つばさ橋」の完成で、ますます重要性が増しています。日本はこれまで、プノンペンからつばさ橋の手前付近となるネアックルンまで52キロを3期にわたり改修・拡幅し、現在の第4期工事ではプノンペンのモニボン橋から4キロメートルの地点までの改修に取り組んでいます。改修前は、ガタガタで狭く、時速30キロがやっとだった区間もあった国道1号線。改修は、スムーズな物流・人流と、安全な暮らしのために役立っています。

 また、安全な水を供給しているプノンペン水道公社の視察では、人口が急増する首都の水需要にこたえるために整備したニロート浄水場、老朽化した施設の改善やソーラー発電施設を設置したプンプレック浄水場の2施設を訪れました。

 ツアーに参加したカンボジア国立工科大学で土木工学を専攻するリム・レンヒエンさんは、「工事に従事する人たちの安全管理に感銘した。日本の復興はエンジニアが支えたと聞いたが、こうしたプロジェクトを通して、技術や技術者を大切にしていることを感じた」と話しました。NPICで土木工学を専攻するチム・スレイミアさんは、「日本がカンボジアに技術支援したことは知っていたが、現場を見たのは初めて。教室だけでは得られない情報を知ることができた」と、話します。スレイミアさんは、クラスでたった3人の女子学生。「この分野で国づくりに貢献したいという思いを新たにしました」と語りました。約3500人の学生が在籍する国立工科大学のロムニー学長は、「現在のカンボジアでは、水資源関 連、電子・通信工学、機械工学、食品化学分野の 人材が特に必要とされている」と指摘します。しかし、いたずらに理系人材の数だけを増やすのではなく、質の高い教育を目指すことが不可欠だと言います。ロムニー学長は「質の高い教育は、長い時間がかかり、大学だけで実現できるものではない。政府や民間セクターの協力と理解が必要」と語りました。
【編集 : AU】

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